結論:NANDフラッシュ(3D NAND)とDRAMの違いは?
DRAMとNANDの最大の違いは「揮発性」です。DRAMは電源を切るとデータが消える揮発性メモリで、PC・スマホのRAM(作業メモリ)に使われます。NANDは電源を切ってもデータが残る不揮発性メモリで、SSD・スマホのストレージに使われます。速度はDRAM(ナノ秒単位)が圧倒的に速く、容量とコストではNAND(マイクロ秒〜ミリ秒)が有利です。
比較表
| 観点 | NANDフラッシュ(3D NAND) | DRAM |
|---|---|---|
| 揮発性 | 不揮発性(電源を切ってもデータが残る) | 揮発性(電源を切るとデータが消える) |
| 主な用途 | SSD・スマホストレージ・USBメモリ・SDカード | PC/スマホのRAM(作業メモリ)・HBM(AI/GPU用) |
| 読み書き速度 | DRAMより低速(μs〜ms単位のアクセス) | 高速(ns単位のランダムアクセス) |
| 基本セル構造 | Charge Trap型/Floating Gate型を垂直積層 | 1T1C(1トランジスタ+1キャパシタ) |
| 集積度向上の方向 | 積層数増加(現在200層超が主流) | セルピッチの水平微細化(1α・1β世代等) |
| 製造上のキー工程 | 高アスペクト比(50〜100:1以上)チャネルホールエッチング | 深いキャパシタトレンチ・高アスペクト比コンタクトエッチング |
| EUV露光の活用 | 現状ほぼ不使用(DUVで対応) | 最先端(1β/1γ世代)から積極導入 |
| 主要メーカー | Samsung・SK Hynix・Kioxia・Western Digital・Micron | Samsung・SK Hynix・Micron(3社でほぼ独占) |
NANDとDRAMの基本的な違い:揮発性と用途
最もわかりやすい違いは「揮発性」です。DRAMはキャパシタに電荷を蓄えてデータを保持しますが、一定時間ごとにリフレッシュが必要で、電源を切るとデータが消えます。高速アクセスが可能なためCPUの作業領域(主記憶)として使われます。一方NANDは電荷をゲート絶縁膜中にトラップする不揮発性メモリで、電源なしでもデータを保持します。速度はDRAMより遅いですが大容量かつ低コストで、SSDやスマホストレージとして広く普及しています。
3D NANDのプロセス上の特徴:超高アスペクト比との戦い
3D NANDの最大の製造課題は、積層数増加に伴うチャネルホール(セルの縦穴)の超高アスペクト比エッチングです。100層を超える積層では穴の深さが数マイクロメートルに達し、直径は100nm以下という極めて高いアスペクト比が求められます。この加工には専用のプラズマエッチング装置とプロセスガスの精密制御が必要です。また、積層した絶縁膜と電極膜の界面品質管理のためにCVD・ALDが広く使われます。
DRAMのプロセス上の特徴:微細化とキャパシタ容量の両立
DRAMの1T1Cセルは、ビット密度向上のためトランジスタとキャパシタの両方を縮小する必要があります。しかしキャパシタは一定以上の容量(フェムトファラッド程度)を保たなければデータ保持ができません。そこでキャパシタを深い円筒形(Cylinder型)や高いピラー形(Pillar型)にする高アスペクト比構造が採用されます。最先端DRAMでは露光にEUVを活用し、高密度パターンを精度よく形成することで微細化と信頼性を両立しています。