結論:シングルパターニング(SP)とマルチパターニング(MP)の違いは?
シングルパターニングとマルチパターニングの最大の違いは「露光の回数」です。シングルは1回の露光でパターンが完成し、達成できる最小ピッチは露光装置の解像限界までです。マルチはSADP(自己整合型二重)やSAQP(四重)で露光とエッチングを2〜4回繰り返し、ピッチをシングル比1/2〜1/4まで縮められますが、工程数が2〜4倍に増えコストとスループット、そして各ステップのオーバーレイ誤差の累積が課題になります。
比較表
| 観点 | シングルパターニング(SP) | マルチパターニング(MP) |
|---|---|---|
| 露光回数 | 1回の露光でパターン完成 | 2〜4回(またはそれ以上)の露光・エッチングを繰り返す |
| 達成できる最小ピッチ | 使用露光装置の解像限界まで | SP比で1/2(SADP)〜1/4(SAQP)のピッチを実現 |
| オーバーレイ精度要求 | 1回のアライメントで完結 | 各ステップの位置ずれが累積するため高精度アライメントが必須 |
| 工程数・コスト | 少ない工程数、低コスト | 工程が2〜4倍以上に増加し、コスト・スループットが課題 |
| 代表的な手法 | 通常のリソグラフィ(単一露光) | LELE、SADP、SAQP、LELELE(トリプル)など |
| EUVとの関係 | EUV単一露光で7nm以下に対応しやすい | DUV+マルチパターニングはEUV代替としてコスト重視で使用 |
マルチパターニングの主な手法
LELE(Litho-Etch-Litho-Etch)は最もシンプルな二重露光で、2回の露光と2回のエッチングを組み合わせます。SADP(Self-Aligned Double Patterning)はスペーサーを利用して自己整合的に2倍の密度を実現し、オーバーレイ誤差の影響を小さくできます。SAQPはSADPをさらに繰り返す4倍密度化の手法です。LELE系はオーバーレイ精度に敏感ですが設計の自由度が高く、SADP/SAQPはオーバーレイ影響が小さい一方、スペーサー形成工程が複雑です。
EUV導入でマルチパターニングはどう変わったか
EUV(13.5nm波長)の導入により、7nm以下でもシングル露光あるいは少ない回数の露光でパターン形成できるケースが増えました。ただしEUV装置コストが極めて高いため、コスト最適化の観点から一部の配線層では依然としてDUV+マルチパターニングが採用されています。EUV自体も最先端では2回露光(EUV LELE)を組み合わせるケースがあり、High-NA EUVの導入でさらなる単純化が期待されています。