半導体製造装置は、軍事に転用できる技術を含むものとして、輸出の規制を受けることがあります。中古の装置でも、海外へ売る・送るときは新品と同じ規制が適用されます。この記事では、経済産業省の資料に沿って、外為法による規制の仕組みと、輸出する前に行う該非判定の手順を整理します。
ポイント
- 日本の安全保障貿易管理は外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく
- リスト規制に該当する貨物の輸出には、原則として経済産業大臣の許可が要る
- 該非判定は輸出する者が行う。経済産業省は個別の判定をしない
- 装置全体だけでなく、部分品・附属品も規制の対象になり得る
- 他社製品の該非判定書を使うときも、自社で改めて確認する
外為法による輸出規制の仕組み
日本では、武器や軍事に転用できる貨物・技術が懸念のある国や者に渡ることを防ぐため、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づいて輸出を管理しています。仕組みの中心は、規制する品目を法令で定めたリスト規制と、リストに該当しなくても用途や需要者に懸念がある場合に許可を求めるキャッチオール規制です。中古の装置であっても、規制の対象かどうかの判断は新品と変わりません。
該非判定の5つの手順
該非判定は、輸出しようとする貨物や提供しようとする技術がリスト規制に該当するかを判定する手続きです。経済産業省は次の手順を示しています。①判定の対象(貨物・技術)を特定する、②カタログや仕様書など必要な情報を集める、③経済産業省の「貨物・技術のマトリクス表」などで法令と照合する、④機能や仕様が規定に合うかを確かめて該当・非該当を判定する、⑤該非判定書を作成し、社内の責任者の決裁を得て組織として決定する。リスト規制の品目は原則として毎年改正されるため、必ず最新の法令で判定します。
中古装置で特に注意すること
中古装置の売買では、装置を製造したメーカーと輸出する者が違うことがほとんどです。経済産業省は、他社製品を輸出する場合はメーカーや販売代理店から該非判定書を入手したうえで、型式が合っているか、判定理由が妥当か、最新の法令で確認しているかを自社で改めて確認するよう求めています。判定書に誤りがあっても、外為法上の責任を問われるのは輸出を行う者です。また、装置全体だけでなく、部分品や附属品の輸出でも規制に該当する場合があるため、予備部品だけを送る場合も確認が必要です。
買う側が確認しておくこと
海外から中古装置を買う場合も、相手国の輸出規制によって出荷に許可が必要になり、時間がかかることがあります。購入した装置を後で別の国へ再び売る可能性があるなら、その時点でも規制の確認が必要です。契約の段階で、該非判定や許可の申請を誰が行い、許可が下りない場合にどうするかを決めておくと安全です。
関連ページ
よくある質問
中古装置の該非判定は誰が行いますか?
規制に該当しない装置なら、どこへでも輸出できますか?
出典・参考資料
- 経済産業省「該非判定/貨物・技術のマトリクス表について」(2026/10/23 確認)
- 経済産業省「安全保障貿易管理の概要」(2026/10/23 確認)
- 経済産業省「安全保障貿易管理」(2026/10/10 確認)