最終更新 2026-10-07

ArF液浸リソグラフィとは

ArF Immersion Lithography
目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

ArF液浸リソグラフィ(ArF Immersion Lithography)は、ArFエキシマーレーザー(波長193nm)を光源とする液浸露光技術です。投影レンズとウェハの間に超純水(屈折率n≈1.44)を満たすことで実効波長を約134nmまで短縮し、高い開口数(NA≤1.35)と解像度を実現します。2006年頃から45nmノード以降の先端半導体製造の主力技術となり、EUV露光が普及する現在でも多くの工程で使われています。

液浸露光の原理は、空気(n≈1.0)よりも屈折率の高い水(n≈1.44)で光路を満たすことで、同じ開口数NAでも結像分解能が向上する点にあります。解像度R = k₁×λ/(NA×n)の式において、分母にnが加わることで理論上の分解能が改善します。水を使った液浸露光の実用化にはASMLが先導的な役割を果たしました。

ArFi露光装置は現在もDRAM・NAND Flash・ロジックチップの多数の露光層(アライメントマーク・周辺回路・一部の中間層など)に用いられており、工場全体の露光装置台数としてはArFiがEUVを大幅に上回ります。また、多重パターニング(SADP:自己整合ダブルパターニング、SAQP)と組み合わせることでArFi単独の解像限界を超えた微細パターンを形成できます。

ArFiの液浸リキッド(超純水)管理は重要な技術課題です。ウェハ移動時に水が飛散(ウォーターマーク)すると欠陥原因になるため、液浸ヘッド(ローカルフィルスター)による水のコンファインメント技術、撥水性のレジスト保護コート(TARC)の採用などが行われています。

主要メーカーはASML(TWINSCAN NXT系:ArFi市場で約75〜80%のシェア)、Nikon(NSR-S631E等)です。Canonは液浸ArFiには参入せず、KrF・i線と独自のナノインプリント(NIL)技術に注力しています。ASMLのTWINSCAN NXT:1980Diは最先端ArFi装置として、先端ファブの多くに導入されています。

図解

ArF液浸露光の光路(レーザー・レチクル・投影レンズ・超純水・レジスト・ウェハ)
2006年頃から45nm以降の主力技術。EUV普及後も多くの層で使われる。

紛らわしい言葉の切り分け

ArFとKrF。違いは光源の波長で、ArFは193nm、KrFは248nmです。ArFはレンズとウェハの間に水を満たす液浸露光で解像度を上げられ、先端の層に使われます。KrFは液浸に対応せず、成熟ノードや先端品の重要でない層で使われています。 比較記事 →

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)リソグラフィエンジニア(露光工程)

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

NSR-S636Eニコン(Nikon)・DUV露光装置
NSR-S625Eニコン(Nikon)・DUV露光装置

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出典・参考資料

  1. ニコン(Nikon)「NSR-S636E 製品ページ」(2026/10/07 確認)