最終更新 2026-10-09

マルチパターニングとは

Multi-Patterning
目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

多重パターニング(Multi-Patterning)は、1回の露光では解像できない微細なパターンを、露光・成膜・エッチング工程を複数回繰り返すことで実現するリソグラフィ補完技術です。露光波長(ArF: 193nm)の回折限界を超える微細パターン形成を可能にし、EUV露光装置が普及する前の10〜7nmノードの量産を支えました。

主な手法はLELE(Litho-Etch-Litho-Etch)とSADP/SAQP(Self-Aligned Double/Quadruple Patterning)の2種類です。LELE(ダブルパターニング、DP)は2回の露光・エッチングを行い、1回の露光の2倍の密度のパターンを形成します。各露光のオーバーレイ精度(重ね合わせ精度)が最終パターン精度に直結するため、极めて高い露光装置の重ね合わせ精度(<2nm OVL)が要求されます。

SADP(Self-Aligned Double Patterning)は、フォトリソグラフィで形成したコアパターン(マンドレル)の側壁にスペーサー材料をALD成膜し、マンドレルを除去することでスペーサーをパターンとして残す手法です。スペーサーピッチは露光解像度に依存せずスペーサー膜厚で決まるため、露光装置の限界を超えた微細ピッチが実現できます。QP(Quadruple Patterning:SAQP)ではこれを2回繰り返すことでさらなる高密度化を図ります。

多重パターニングの課題は、工程数の増加によるコスト増・スループット低下と、各層の重ね合わせ誤差(オーバーレイエラー)の蓄積です。LELE方式では各露光のオーバーレイが重要であり、SADP方式ではスペーサー膜厚の均一性(ALD精度)とマンドレル除去の選択比が品質を決定します。

EUVリソグラフィの普及(7nm以降への適用拡大)により、単一EUV露光でArF多重パターニングを置き換えるトレンドが強まっています。ただし、最先端ロジック(2nm以下)では一部の層でEUV多重パターニング(EUV SADP、EUV DP)が再び必要になることが見込まれており、多重パターニング技術は今後も重要であり続けます。

図解

マルチパターニングの方式(LELEとSADP/SAQP)の比較
工程数が増えるほど、コストとばらつきが積み上がる。

紛らわしい言葉の切り分け

シングルパターニングとマルチパターニング。違いは1つの層を何回の露光で作るかです。シングルは1回で、露光装置の解像限界までのピッチしか作れません。マルチはSADPやSAQPで露光とエッチングを繰り返してピッチを縮めますが、工程数と重ね合わせ誤差が増えます。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールオーバーレイ・EPE 誤差バジェット計算ツール

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発レイアウト設計(マスク設計)エンジニア前工程(ウェハプロセス)リソグラフィエンジニア(露光工程)前工程(ウェハプロセス)OPCエンジニア(計算リソグラフィ)

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Striker®Lam Research・ALD装置
Archer™ 750KLA・オーバーレイ計測装置
VECTOR®Lam Research・CVD装置

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Lam Research「Striker® 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. KLA「Archer™ 750 製品ページ」(2026/10/07 確認)