最終更新 2026-10-10

DSAとは(誘導自己組織化)

Directed Self-Assembly

DSA(誘導自己組織化)とは、ブロック共重合体が自発的に規則的なミクロ相分離を起こす性質を利用し、露光では作りにくい微細な周期パターンを形成する技術です。ガイドパターンで配向を制御することで、露光装置の解像限界より細かいピッチを低コストで得られる可能性があり、EUVを補完する手法として研究されてきました。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

DSA(Directed Self-Assembly:誘導自己組織化)は、ブロック共重合体(異なる高分子が結合したポリマー)が自発的に規則的なミクロ相分離を起こす性質を利用し、露光では作りにくい微細な周期パターンを形成する技術です。露光を補完・延長する次世代リソグラフィ手法の一つとして研究されてきました。

そのままでは配向がランダムになるため、あらかじめ露光で作った案内パターンで自己組織化を導きます。溝で誘導するグラフォエピタキシと、表面の化学的な違いで誘導するケモエピタキシがあり、これにより露光の解像限界より細いラインや、コンタクトホールの縮小・整列(シュリンク)を実現します。

DSAの利点は、高価なEUVに頼らず低コストで微細周期パターンを作れる可能性がある点です。一方で、欠陥(ディフェクティビティ)の低減、配置の自由度、材料の安定性などが実用化の課題で、現状は限定的な用途・研究段階にあります。

DSAはマルチパターニングやEUVを補完する選択肢として位置づけられます。multi-patterningやeuv、self-assembled-monolayer、sadpの各項とあわせて読むと、微細パターン形成の多様なアプローチが理解できます。材料・プロセスは東京エレクトロン・JSR・Applied Materialsなどが取り組んできました。

図解

DSA(誘導自己組織化)のパターン形成手順(ガイド・塗布・相分離・除去)
露光ではなく材料の性質で細かさを決める、ボトムアップ型の微細加工。

よくある質問(FAQ)

DSAはどうやってパターンを作るのですか?
2種類の高分子が結合したブロック共重合体を塗布して加熱すると、互いに混ざり合わない性質から自発的にナノスケールで相分離します。あらかじめ露光で作った粗いガイドパターンで配向を制御することで、規則正しい微細な周期パターンを得ます。その後、一方の高分子だけを選択的に除去してマスクにします。
DSAの利点と課題は何ですか?
利点は、露光装置の解像限界より細かいピッチを低コストで作れることです。課題は欠陥密度で、自己組織化の過程で生じる転位や配向不良を量産に耐えるレベルまで下げることが難しく、また作れるパターンが規則的な形状に限られます。
DSAは実用化されていますか?
研究段階では有望な結果が示され、DRAMのライン&スペースやコンタクトホールのシュリンクへの適用が検討されてきました。しかしEUVの実用化が進んだこともあり、量産での本格採用には至っていないのが現状です。

デバイスの製造メーカー

東京エレクトロン(TEL)日本

世界第3位の半導体製造装置メーカー。塗布現像、成膜、エッチング装置で高いシェアを誇り、先端プロセスに不可欠な技…

JSR日本

フォトレジスト・半導体材料の世界的大手。ArFi/EUVレジストのほか、CMPスラリー・洗浄液も展開。2023…

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JSR「自己組織化材料の半導体微細パターニングへの応用(JSR TECHNICAL REVIEW No.119)」(2026/10/10 確認)
  2. 日本接着学会「自己組織化が拓く半導体微細加工の革新 ブロック共重合体の基礎と材料開発(日本接着学会誌 61巻5号)」(2026/10/10 確認)