最終更新 2026-10-19

自己整合ダブルパターニングとは

Self-Aligned Double Patterning (SADP)
目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

自己整合ダブルパターニング(SADP:Self-Aligned Double Patterning)は、1回の露光で形成したコアパターンの側壁にスペーサー膜を堆積・エッチバックすることで、解像限界の2倍の密度のラインパターンを形成するマルチパターニング技術です。コアを除去してスペーサーだけを残す「スペーサーをマスクとして使う」アプローチにより、露光ではなく自己整合プロセスでピッチを半分にします。

SADPが重要なのは、DUV(ArF液浸)露光機の解像限界(ハーフピッチ約38nm)を超えるパターン形成を可能にするためです。10nm〜5nmノードの量産技術として、FinFETゲートピッチ・メタル配線・DRAMワード線・3D NANDの多くのレイヤーに適用されています。さらに微細化が進むと、SAQP(自己整合クアッドラプルパターニング)でピッチを1/4にする技術も使われます。

SADPプロセスでは、コア材料の堆積・リソグラフィ・エッチング、スペーサー材料(酸化シリコンなど)のALD成膜、異方性エッチバック(スペーサー形成)、コア除去という一連のステップが必要です。各ステップの寸法精度(CD均一性、スペーサー厚均一性)が最終パターン品質を決定するため、ALD装置・エッチング装置・計測装置(CD-SEM)の連携が不可欠です。

SADPの主なメリットはL/S(ライン・アンド・スペース)パターンの精密形成ですが、カット・チップパターンには別途リソグラフィ(カットマスク)が必要です。このためEUV露光機の普及後もSADPとEUVを組み合わせるハイブリッドパターニング戦略が主流となっています。TSMCのN3プロセスでは主要金属層にEUV+SADPを組み合わせています。

装置・材料の観点では、ASMLの液浸スキャナー(NXT:2100i等)、Lam Researchのエッチャー・ALD装置、Applied Materialsの成膜装置、KLAのCD-SEM・オーバーレイ計測装置がSADPプロセスを支えています。スペーサー材料の均一性要求(1σで0.1nm以下)は装置性能の限界に迫るレベルです。

図解

SADP(自己整合ダブルパターニング)の工程(芯の形成・スペーサー成膜・エッチバック・芯除去・加工)
ArF液浸の解像限界を超えるピッチを、露光の重ね合わせなしで作れる。

紛らわしい言葉の切り分け

シングルパターニングとマルチパターニング。違いは1つの層を何回の露光で作るかです。シングルは1回で、露光装置の解像限界までのピッチしか作れません。マルチはSADPやSAQPで露光とエッチングを繰り返してピッチを縮めますが、工程数と重ね合わせ誤差が増えます。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

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この用語を扱う職種

設計・デバイス開発レイアウト設計(マスク設計)エンジニア

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. Lam Research「Striker® 製品ページ」(2026/10/07 確認)