最終更新 2026-10-07

EUVとは(極紫外線)

EUV (Extreme Ultraviolet)

EUV(極端紫外線)とは、波長13.5nmの極めて短い波長を持つ光で、7nm以下の微細パターンを形成する半導体リソグラフィの光源です。ArFエキシマレーザー(193nm)の約1/14の波長により回折限界を押し下げ、高解像度のパターン形成を可能にします。ただしEUV光はあらゆる物質に吸収されるため、真空中で反射ミラー光学系を使う必要があります。

目次9項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連する製品
  7. 関連用語
  8. 比較・違いを学ぶ
  9. 出典・参考資料

定義・解説

EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)とは、波長13.5nmの極短波長光を指し、半導体リソグラフィ(露光)分野において7nm以下の超微細回路パターンを形成するための光源技術として不可欠な存在となっています。可視光(400〜700nm)やArFエキシマレーザー(193nm)と比べて大幅に短い波長により、光回折による限界を突破した高解像度のパターン形成が実現します。

EUV光の生成には「レーザー生成プラズマ(LPP)方式」が採用されており、スズ(Sn)の微小液滴(直径約30μm)に高出力CO₂レーザーを照射してプラズマ化し、13.5nmの光を放出させます。この光は大気やガラスに強く吸収されるため、露光装置の内部は超高真空(10⁻⁶Pa以下)に保たれ、光学系はすべて反射ミラー(Mo/Si多層膜)で構成されます。この技術的複雑さが、1台あたり数百億円という装置価格に直結しています。

EUVが半導体産業にもたらす最大のメリットは、従来のDUV(ArF液浸、193nm)で必要だった「マルチパターニング(複数回露光)」を1回の露光に置き換えられる点です。7nm以下のノードでArF液浸を使う場合は4〜5回の重ね露光が必要でしたが、EUVでは工程数を大幅に削減でき、製造コストの低減と歩留まり向上が期待できます。TSMC・Samsung・Intelの最先端ファブではEUVが量産に適用されており、日本でもRapidusが2nm世代の量産ラインにEUV導入を計画しています。

EUVの進化として注目されるのが「High-NA EUV」(開口数NA=0.55)です。従来機(NA=0.33)に比べ解像度が約1.7倍向上し、2nm・1.4nm世代への対応が可能になります。ASMLが開発したHigh-NA機「EXE:5000シリーズ」は1台500億円超とされ、Intel・TSMC・Samsungが2025〜2026年に導入を進めています。EUV光源の変換効率向上(目標6%→現状5%台)や、レジスト感度とラインエッジラフネス(LER)のトレードオフ解消なども継続的な技術課題です。

EUVを取り巻く材料・部品分野でも日本企業が重要な役割を果たしています。JSRや東京応化(TOK)のEUVレジスト、信越化学・SKエレクトロニクスのマスクブランクス、三井化学・旭化成のEUVペリクルなど、EUVエコシステムのサプライチェーンに深く関与しています。また、EUV装置の検査・評価に使われるラメット検査(Actinic Inspection)装置はLasertecが世界で事実上唯一の供給メーカーであり、日本のEUV関連技術の存在感は極めて高いといえます。

図解

EUV(極紫外線)の波長選択が装置構成を決める流れ(波長・反射光学系・真空・反射マスク)
EUV露光は7nm以下の最先端ロジックとDRAMの細かい層で使われる。

紛らわしい言葉の切り分け

EUV・EUVリソグラフィ・EUV露光装置。EUVは波長13.5nmの光そのものの名前で、EUVリソグラフィはその光で回路パターンを描く手法、EUV露光装置はその手法を実行する装置です。求人票や装置カタログでは3つとも「EUV」と縮めて書かれるので、前後の文から対象を読み分けます。 用語解説 →

EUVとDUV。違いは波長で、DUVはKrF(248nm)とArF(193nm)、EUVは13.5nmです。DUVは透過レンズと透過型マスクを大気中で使えますが、EUVはあらゆる物質に吸収されるため、反射鏡・反射型マスク・真空の光路が必要になります。 比較記事 →

EUVとHigh-NA EUV。波長は同じ13.5nmで、違うのは光学系の開口数(NA)です。現行のEUVはNA 0.33、High-NAはNA 0.55で、解像度の式 CD = k1 × λ / NA の分母を大きくして、より細かい寸法を描きます。 比較記事 →

ナノインプリントとEUV。違いはパターンの写し方です。ナノインプリントは型をレジストに押し付けて写す機械的な方法で、装置が安価です。EUVは光で描く方法で、スループットと重ね合わせ精度で量産の実績があります。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データ半導体の主要学会・展示会一覧データ露光光源の波長一覧(g線〜EUV)計算・換算ツール露光解像度・焦点深度 計算ツール(レーリーの式)計算・換算ツールeV↔波長 換算ツール(バンドギャップ・露光波長)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)リソグラフィエンジニア(露光工程)事業・サプライチェーン半導体の知財(特許)エンジニア

よくある質問(FAQ)

EUVとは何ですか?
波長13.5nmの極端紫外線で、7nm以下の先端パターンを形成する最先端リソグラフィ技術です。ArF液浸の約1/14の波長です。
EUVとDUVの違いは?
DUVはArF(193nm)/KrF(248nm)、EUVは13.5nmです。EUVは微細パターンを単一露光で形成でき、DUVは成熟層で今も主力です。
EUV装置を作れるのはどこですか?
量産用EUV装置を製造できるのはオランダのASMLのみです。光源・ミラー・マスク・レジストの巨大なエコシステムに支えられています。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

CLEAN TRACK LITHIUS Pro Z東京エレクトロン(TEL)・コータ/デベロッパ
FPA-1200NZ2Cキヤノン(Canon)・ナノインプリントリソグラフィ(NIL)
Centris® Sym3® Y EtchApplied Materials・ドライエッチング装置
TWINSCAN NXE:3600DASML・EUV露光装置
MASK MVM-SEM® E3650アドバンテスト・マスク寸法・平面度測定装置
MeRiT® neXTカールツァイス(半導体)・マスク修正装置
MBM-3000ニューフレアテクノロジー・マスク描画装置(EB描画)
Teron™ 6xx シリーズKLA・マスク検査装置
HMI eScan® 1100Hermes Microvision(HMI)・電子線(EB)検査装置
CG7300日立ハイテク・CD-SEM
Inpria 金属酸化物 EUV レジストJSR・EUVレジスト
EUV マスクブランクスHOYA・フォトマスクブランクス

ほか 15 製品は製品一覧から探せます。

関連する装置カテゴリ

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同じトピックの企業

キヤノン(Canon)日本カール・ツァイスSMT(Carl Zeiss SMT)ドイツコーニング・トロペル(Corning Tropel)米国

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ASML「EUV lithography systems」(2026/10/07 確認)
  2. ASML「The Rayleigh criterion for resolution」(2026/10/07 確認)
  3. ASML「Light & lasers - Lithography principles」(2026/10/07 確認)
  4. ASML「Lenses & mirrors - Lithography principles」(2026/10/07 確認)
  5. ZEISS SMT「EUV lithography and technology」(2026/10/07 確認)
  6. 東京エレクトロン nanotec museum「半導体用語集:EUVリソグラフィ」(2026/10/07 確認)
  7. 東京エレクトロン(TEL)「CLEAN TRACK LITHIUS Pro Z 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  8. キヤノン(Canon)「FPA-1200NZ2C 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  9. Applied Materials「Centris® Sym3® Y Etch 製品ページ」(2026/10/07 確認)