FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory:強誘電体メモリ、FRAMとも)は、強誘電体材料の自発分極の向き(プラス/マイナス)でデータを記憶する不揮発性メモリです。電界を加えると分極が反転し、電界を取り去っても状態が保持されるため、電源を切ってもデータが消えません。DRAMに似た1トランジスタ1キャパシタ(1T1C)構造を、誘電体の代わりに強誘電体キャパシタで構成します。
FeRAMの強みは、低消費電力・高速書き込み・極めて高い書き換え耐性(10の12乗〜15乗回)です。フラッシュのような高電圧チャージポンプや長い書き込み時間が不要で、頻繁な書き換えが必要なログ・計測・ICカード・スマートメーターなどに適します。放射線にも比較的強く、産業・車載・医療分野で堅実な実績があります。
従来のFeRAMはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やSBTを強誘電体に用いていましたが、これらはCMOS微細プロセスとの整合性や微細化に限界がありました。近年は、ハフニウム酸化物(HfO₂)系の強誘電体が発見され、既存の高誘電率(High-k)ゲート材料と親和性が高いことから、強誘電体FET(FeFET)として微細・高密度な次世代不揮発メモリへの応用研究が活発化しています。
FeRAMはReRAM・MRAM・PCMと並ぶ新世代不揮発メモリの一つで、容量よりも信頼性・低消費電力・書き換え耐性が重視される用途で確固たる地位を築いています。HfO₂強誘電体の登場により、組み込みメモリや次世代ロジック融合デバイスとしての可能性が再評価されています。