GLOSSARY

多値セル(MLC/TLC/QLC)とは

Multi-Level Cell
最終更新:2026-08-02NAND製造プロセス

多値セル(MLC/TLC/QLC)とは?

多値セル(MLC)とは、1つのメモリセルに2ビット以上の情報を記憶する方式です。1セル1ビットのSLCに対し、2ビットのMLC、3ビットのTLC、4ビットのQLCと記憶ビット数を増やすことで、同じ面積でより大容量・低コストを実現します。ただしビット数が増えるほど書き換え耐久性と速度は低下し、TLCで約3,000回、QLCで約1,000回程度になります。

定義・解説

多値セル(MLC:Multi-Level Cell)は、1つのメモリセルに2ビット以上の情報を記憶する方式です。1セルに1ビットのSLC(Single-Level Cell)に対し、2ビットのMLC、3ビットのTLC(Triple-Level Cell)、4ビットのQLC(Quad-Level Cell)と、1セルあたりの記憶ビット数を増やすことで、同じ面積でより大容量・低コストなメモリを実現します。主にNANDフラッシュで使われます。

仕組みは、セルに蓄える電荷量(しきい値電圧)を多段階に作り分け、その段階を読み分けることで複数ビットを表現します。1ビットなら2段階、2ビットなら4段階、3ビットなら8段階と、ビット数を増やすほど1段階あたりの電圧マージンが狭くなります。

多値化はビット単価を下げる一方で、しきい値分布が近接するため、読み書き速度の低下、書き換え可能回数(耐久性)の減少、エラー率の上昇というトレードオフを伴います。これを補うため、強力なECC(誤り訂正)、リードリトライ、書き込みアルゴリズムの高度化が不可欠です。

3D NANDの多層化と多値化を組み合わせることで、SSDの大容量化・低価格化が進んできました。nand-flashや3d-nand、charge-trap-flash、nor-flashの各項とあわせて読むと、フラッシュメモリの大容量化技術が理解できます。Samsung・Kioxia・Micronなどが量産をリードします。

よくある質問(FAQ)

多値化するとなぜ耐久性や速度が落ちるのですか?
1つのセルで区別すべき電圧レベルが増えるため、しきい値分布をより狭く精密に制御しなければならないからです。書き込みに複数回の検証(プログラムベリファイ)が必要で時間がかかり、わずかな電荷の抜けでも誤読につながるため、劣化の許容量も小さくなります。
SLC・MLC・TLC・QLCはどう使い分けますか?
SLCは最も高速・高耐久ですが容量単価が高く、産業用や高信頼用途に使われます。TLCが現在のコンシューマSSDの主流で、QLCは容量単価を優先する大容量・読み出し中心の用途に向きます。SSD内部ではTLC/QLC領域の一部を疑似SLCとして書き込みキャッシュに使う手法も一般的です。
多値化を支える技術は何ですか?
強力なECC(LDPCなどの誤り訂正)、しきい値分布を追従して読み出し電圧を調整するリードリトライ、ウェアレベリング、そしてSSDコントローラによる書き込み制御です。セル自体の信頼性低下を、コントローラ側の技術で補って実用化しています。

デバイスの製造メーカー

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

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キオクシア(Kioxia)日本

旧東芝メモリ。NAND型フラッシュメモリの発明企業として世界第2位のシェアを持つ。BiCS FLASH(3D …

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Micron Technology(マイクロン)米国

米国最大のメモリメーカー。DRAM、NANDフラッシュの両方を製造し、データセンター、自動車、産業用途に強み。

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