最終更新 2026-10-19

チャージトラップフラッシュとは

Charge Trap Flash (CTF)
目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 設備の製造メーカー
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

チャージトラップフラッシュ(CTF:Charge Trap Flash)は、NANDフラッシュメモリのデータ記憶方式の一種で、フローティングゲート(浮遊ゲート:FG)の代わりに窒化シリコン(Si3N4)などの電荷トラップ膜に電荷を捕捉・保持することでデータを記憶します。従来のフローティングゲートNANDに比べ、セル間干渉(Cell-to-Cell Interference)が少なく、3次元積層(3D NAND)との相性が良いため、現在の主流3D NAND構造に採用されています。

CTFの基本構造は、O-N-O(SiO2-Si3N4-SiO2)のONOスタックです。下層SiO2(トンネル酸化膜)、中間Si3N4(電荷トラップ層)、上層SiO2(ブロッキング酸化膜)から構成されます。書き込み時はFNトンネリング(Fowler-Nordheimトンネリング)または熱電子注入で電荷をSi3N4に捕捉し、消去時は逆方向のFNトンネリングで電荷を放出します。

CTFが3D NANDに採用された最大の理由は、フローティングゲートと異なりセル間での電荷の浮遊ゲート間容量結合(IPD:Inter-Poly Dielectric問題)がないことです。3D NANDではワード線方向に多数のセルが積層されるため、セル間干渉の低減が密度向上の鍵です。Samsung(V-NAND)、SK Hynix、Micronが全てCTF構造を採用しています。

3D NAND製造ではCTF層をシリンダー状(垂直チャネル)の周囲に形成するため、高アスペクト比(現在のTLC 200層以上では300:1超)のシリンダーエッチングと、ALD(原子層堆積)によるO-N-O膜の均一なコンフォーマル成膜が必要です。エッチングの難度(均一性・垂直性・ボーイング抑制)が3D NANDの積層数拡大の最大のボトルネックです。

CTF材料としてSi3N4(窒化シリコン)が標準ですが、高誘電率材料(HfO2ベース)やフェロエレクトリック材料(HZO:Hf-Zr酸化物:FE-FET NAND)の採用も研究されています。FE-CTF(強誘電体チャージトラップ)はより高速書き換えと低電圧動作が期待され、次世代不揮発性メモリ技術の候補の一つです。製造装置では、Lam Research・Tokyo Electron・ASM Internationalが3D NAND向けALD/CVD・エッチング装置の主要サプライヤーです。

図解

チャージトラップフラッシュのセル膜構成(ブロッキング膜・電荷トラップ膜・トンネル膜・チャネル)
この膜の組み合わせはSONOS・TANOSなどと呼ばれる。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール3D NAND 容量・ビット密度 計算ツール

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発メモリ設計エンジニア

設備の製造メーカー

デバイスの製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. PubMed Central(米国国立医学図書館)「Impact of Program–Erase Operation Intervals at Different Temperatures on 3D Charge-Trapping Triple-Level-Cell NAND Flash Memory Reliability」(2026/10/10 確認)