最終更新 2026-10-09

ステルスダイシングとは

Stealth Dicing
目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 関連する製品
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ステルスダイシング(Stealth Dicing:SD)は、ウェハ内部にレーザー光を集光して改質層(多光子吸収による加工痕)を形成し、その後のエキスパンド(テープ拡張)でウェハを割断して個片化する、DISCOが実用化したダイシング技術です。ブレード(砥石)で削り取る従来法と違い、表面を物理的に切削しないため、切りくず(デブリ)が発生せず、極薄ウェハや脆い材料の加工に適します。

最大の利点は、カーフ(切り代)がほぼゼロで、チッピング(端面の欠け)や微小クラックを大幅に抑えられることです。これによりダイの抗折強度が向上し、メモリの多段積層やカード用途など、50μm以下に薄化したウェハでも高い歩留まりで個片化できます。乾式(ドライ)プロセスのため、純水や切削水を使わない点も洗浄負荷の低減につながります。

プロセスは、ウェハ厚みに応じてレーザーの集光位置(改質層の深さ)を複数段に分けて形成し、ダイシングテープのエキスパンドで応力を加えて割断します。MEMSやイメージセンサーのように表面構造を傷つけたくないデバイス、SiCなど硬脆材料の加工にも応用が広がっています。

ステルスダイシングはDISCOの登録商標・中核技術であり、レーザーダイシングやプラズマダイシングと並ぶ次世代の個片化手法として位置づけられます。ブレードダイシングが残すコスト・スループット上の優位とのトレードオフを踏まえ、薄型・高信頼が求められる用途で採用が進んでいます。

図解

ステルスダイシングの工程(テープ貼り・内部改質・エキスパンド・個片化)
ブレードで削る方法と違い、表面を物理的に切らない。

紛らわしい言葉の切り分け

ステルスダイシングとブレードダイシング。違いは切り代(カーフ)が出るかどうかです。ステルスダイシングはレーザーでウェハ内部に改質層を作り、テープを広げて割るため、切り代も切りくずもほとんど出ず、極薄ウェハに向きます。ブレードダイシングは回転する砥石で切るため、刃の幅だけ切り代が要り、欠けも出やすくなります。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールシリコンの光吸収係数・侵入長 計算ツール

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)ダイシング・薄化エンジニア

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

DFD6362DISCO・ダイシングソー
DFL7362DISCO・レーザーダイシング装置
DFL7341DISCO・レーザーダイシング装置
DFL7362FHDISCO・レーザーダイシング装置
DDS2300DISCO・レーザーダイシング装置
DDS2030DISCO・レーザーダイシング装置

デバイスの製造メーカー

DISCO日本

「切る・削る・磨く」技術の世界的リーダー。ダイシングソー、グラインダで市場トップシェアを持ち、超薄ウェーハ加工…

東京精密(Accretech)日本

日本の精密計測・半導体製造装置メーカー。ウェーハプロービングシステムおよびダイシング装置で高い技術力を誇る。

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

ダイシング・研削 のトピックで関連する用語です。

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ディスコ「ステルスダイシング加工」(2026/10/07 確認)
  2. DISCO「DFD6362 製品ページ」(2026/10/07 確認)