最終更新 2026-10-09

バックグラインダーとは(裏面研削)

Backgrinder / Back Grinding Equipment

バックグラインダー(裏面研削装置)とは、回路を形成したウェハの裏面を研削して薄型化する後工程装置です。通常750〜780μmのウェハを50〜150μmまで薄くすることで、パッケージの薄型化・放熱性向上・3D積層への対応が可能になります。メモリの多段積層やスマートフォン向けでは20〜50μmという極薄化まで要求が高まっています。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

バックグラインダー(Back Grinder)とは、半導体ウェハの回路が形成された表面(おもて面)とは反対の裏面を研削し、ウェハを薄型化する後工程装置です。デバイス完成後のウェハ(完成後厚さ通常750〜780μm)を50〜150μmまで薄くすることで、パッケージの薄型化・放熱性向上・チップ積層(3D積層)への対応を可能にします。スマートフォン・ウェアラブル・メモリの薄型化需要に伴い、さらに極薄(20〜50μm)化の要求が高まっています。

バックグラインドのプロセスは「バックラッピング」→「ファインポリッシュ」→「ストレスリリーフ」の3段階で構成されます。第1段階の荒研削(Coarse Grinding)でダイヤモンド砥石を使い高速に材料除去し、第2段階の仕上げ研削(Fine Grinding)で表面粗さを低減します。最終段階ではプラズマエッチングや化学機械研磨(CMP)で研削ダメージ層を除去し、チップ強度を確保します。研削前にはウェハおもて面保護のためバックグラインドテープ(BGテープ)の貼付が必須です。

バックグラインダー市場ではDISCOが世界トップで、東京精密(Tokyo Seimitsu、ACCRETECH)・岡本工作機械(Okamoto)などの日本メーカーが続きます。東京精密はウェハプローバーとの一体ソリューションで半導体メーカーとの深い顧客関係を持ちます。DISCOはダイシングソーと裏面研削装置の両方を提供しており、後工程全体のソリューションプロバイダーとして強みを発揮しています。

3D NANDメモリ・HBMスタッキング・先進パッケージング(CoWoS・SoIC等)の普及に伴い、バックグラインドの重要性は急速に高まっています。TSV(シリコン貫通電極)形成では、TSV後に200μm以下の薄型化が必要です。また「DBG(Dicing Before Grinding)」プロセスでは、先にダイシングで溝を入れた後でバックグラインドしてチップに分割するため、ダイ割れリスクと薄型化の両立が可能になります。

SiC(炭化ケイ素)パワー半導体の普及もバックグラインダー市場に大きな影響を与えています。SiCはシリコンより硬く(モース硬度9.5)、通常のSi向けの砥石では研削効率が大幅に低下します。SiC専用の超硬ダイヤモンド砥石・研削条件の最適化・研削後の表面品質確保が課題であり、EV・電力インフラ需要の拡大を背景にSiC対応バックグラインダーの開発競争が続いています。

図解

用途ごとのウェハ研削後の厚さ(研削前・一般・メモリ積層・HBM)
値は代表的な目安。

関連するデータ・ツール

データ半導体製造装置サプライヤー相関図(工程別)データ日本の半導体サプライチェーン地図

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)ダイシング・薄化エンジニア

よくある質問(FAQ)

なぜウェハを薄くする必要があるのですか?
パッケージ全体を薄型化するため、チップの放熱性を高めるため、そしてTSVを使った3D積層でチップを何層も重ねるためです。スマートフォンやウェアラブルの薄型化要求と、NANDの多段積層がこの流れを加速しています。
ウェハはどこまで薄くできますか?
一般的なパッケージ向けでは50〜150μm、3D積層やメモリの多段積層では20〜50μmまで薄化されます。薄くするほど反りや割れが起きやすくなるため、サポート基板に一時的に貼り付ける仮接着(テンポラリボンディング)と組み合わせて処理します。
裏面研削の後にどんな処理が必要ですか?
研削だけでは表面に微細なクラックや加工変質層が残り、チップの抗折強度が低下します。そのためCMPやドライポリッシュ、あるいはウェットエッチングによるストレスリリーフを行い、ダメージ層を取り除いて強度を回復させます。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

DGP8761DISCO・バックグラインダー
Adwillリンテック・ダイシングテープ・BGテープ
ICROS Tape三井化学・ダイシングテープ・BGテープ
BGM300レーザーテック・TSV形成装置
DFP8140DISCO・研磨装置(ポリッシャー)
DFM2800DISCO・ウェハマウンタ
DAG810DISCO・バックグラインダー
DFG8340DISCO・バックグラインダー
DFG8360DISCO・バックグラインダー
DFG8540DISCO・バックグラインダー
DFG8560DISCO・バックグラインダー
DFG8830DISCO・バックグラインダー

ほか 3 製品は製品一覧から探せます。

関連する装置カテゴリ

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DISCO日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. DISCO「DGP8761 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. リンテック「Adwill 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. 三井化学「ICROS Tape 製品ページ」(2026/10/07 確認)