ブレードダイシング(Blade Dicing)は、電着ダイヤモンドブレードを高速回転させ、ウェハを機械的に切削して個々のチップ(ダイ)に個片化する、最も伝統的で広く使われているダイシング方式である。切削点に純水を供給しながら加工することで摩擦熱を抑え、切削くず(デブリ)を洗い流す。
ブレード厚み(カーフ幅)はおおむね15〜50μm程度で、ダイシングストリート(チップ間の切断代)の幅を左右する。厚いウェハや金属配線層を含む基板でも安定して切断できる実績と量産性の高さから、汎用パッケージ(QFP・BGA・QFN等)向けの個片化工程で今も主流である。
一方、ブレードの機械的な接触により、チップ端面にチッピング(微小な欠け)やクラックが発生しやすく、薄化した脆いウェハ(50μm以下)やlow-k絶縁膜を含む先端デバイスでは、非接触加工のレーザーダイシング・ステルスダイシングへの置き換えが進んでいる。切削水を用いるウェットプロセスであるため、後工程の洗浄・乾燥も必要になる。
主要装置メーカーはDISCO・東京精密(Accretech)で、量産ラインでの安定性・スループット・コスト効率の高さから、先端パッケージ以外の汎用用途では引き続き広く採用されている。