ストレスマイグレーション(Stress Migration:応力誘起ボイド、SIVとも)は、金属配線中に機械的応力が原因で空孔(ボイド)が発生・成長し、配線やビアが断線して故障に至る信頼性現象です。電流が原因で起こるエレクトロマイグレーションと異なり、電流を流さなくても発生する点が特徴です。
メカニズムは、金属(主に銅)と周囲の絶縁膜・バリアの熱膨張係数の差により、製造後の冷却や使用中の温度変化で配線に引張応力が生じ、その応力勾配が空孔の拡散・凝集を促してボイドを形成する、というものです。特にビア直下や幅広配線との接続部でボイドが生じやすく、抵抗上昇やオープン故障を招きます。
銅ダマシン配線では、微細化でビアが細くなるほどストレスマイグレーション耐性の確保が課題になります。評価は、高温で長時間放置する高温保管試験(HTS)などで行い、抵抗変化からボイド成長を検出します。
対策には、応力を緩和する配線・ビア設計、密着性の高いバリアメタル(Ta/TaN)やライナーの最適化、ダミーパターンによる応力分散などがあります。電流駆動のエレクトロマイグレーション(electromigration)と対で、銅配線(copper-interconnect)の二大信頼性課題を構成します。