最終更新 2026-10-10

ストレスマイグレーションとは

Stress Migration

ストレスマイグレーション(応力誘起ボイド、SIV)とは、金属配線中に機械的応力が原因で空孔(ボイド)が発生・成長し、配線やビアが断線して故障に至る信頼性現象です。電流が原因のエレクトロマイグレーションと異なり、電流を流さなくても発生する点が特徴で、配線とバリア・絶縁膜の熱膨張差が主な要因になります。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

ストレスマイグレーション(Stress Migration:応力誘起ボイド、SIVとも)は、金属配線中に機械的応力が原因で空孔(ボイド)が発生・成長し、配線やビアが断線して故障に至る信頼性現象です。電流が原因で起こるエレクトロマイグレーションと異なり、電流を流さなくても発生する点が特徴です。

メカニズムは、金属(主に銅)と周囲の絶縁膜・バリアの熱膨張係数の差により、製造後の冷却や使用中の温度変化で配線に引張応力が生じ、その応力勾配が空孔の拡散・凝集を促してボイドを形成する、というものです。特にビア直下や幅広配線との接続部でボイドが生じやすく、抵抗上昇やオープン故障を招きます。

銅ダマシン配線では、微細化でビアが細くなるほどストレスマイグレーション耐性の確保が課題になります。評価は、高温で長時間放置する高温保管試験(HTS)などで行い、抵抗変化からボイド成長を検出します。

対策には、応力を緩和する配線・ビア設計、密着性の高いバリアメタル(Ta/TaN)やライナーの最適化、ダミーパターンによる応力分散などがあります。電流駆動のエレクトロマイグレーション(electromigration)と対で、銅配線(copper-interconnect)の二大信頼性課題を構成します。

図解

ストレスマイグレーション(SIV)とエレクトロマイグレーションの比較
配線とバリア・絶縁膜の熱膨張の差が、ストレスマイグレーションの主な原因。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールワイブル解析ツール(β・η・B寿命)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)配線工程(メタライゼーション)エンジニア

よくある質問(FAQ)

ストレスマイグレーションとエレクトロマイグレーションはどう違いますか?
エレクトロマイグレーションは電流によって金属原子が押し流されて起きる断線で、電流を流さなければ進行しません。ストレスマイグレーションは機械的応力が駆動力なので、電流を流していない保管中でも進行する点が決定的に異なります。
なぜ配線に機械的応力がかかるのですか?
銅配線・バリアメタル・層間絶縁膜はそれぞれ熱膨張係数が異なるため、製造時の熱工程で温度が上下すると互いに引っ張り合う応力が生じます。この応力勾配が空孔を移動させ、ビア底などに集まってボイドを形成します。
どこで起きやすいですか?
幅の広い配線に接続された細いビアの直下です。広い配線には多くの空孔が存在し、それがビア底の一点に集中しやすいため、ビアのオープン不良として現れます。設計ルールでビア数を増やす(冗長ビア)ことが対策になります。

デバイスの製造メーカー

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

Lam Research米国

エッチング装置の世界的リーダー。約39%の市場シェアを持ち、原子層エッチング(ALE)技術で先端3Dチップアー…

Intel米国

世界最大のCPUメーカー。従来はIDMとして自社プロセスでCPUを製造してきたが、Intel Foundry …

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JEDEC「STANDARD TEST STRUCTURE FOR RELIABILITY ASSESSMENT OF AlCu METALLIZATIONS WITH BARRIER MATERIALS」(2026/10/10 確認)