最終更新 2026-10-19

デュアルダマシンとは

Dual Damascene
目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

デュアルダマシン(Dual Damascene)とは、半導体チップの多層配線形成において、配線溝(Trench)とビアホール(Via)を同一の金属充填工程で一括して作製する製造プロセスである。銅(Cu)配線プロセスの主流技術であり、シングルダマシン(配線とビアを別々に形成)に比べて工程数削減とコスト低減を実現する。IBMが1997年に実用化して以来、先端ロジックチップの後工程配線(BEOL)で広く採用されている。

デュアルダマシンの基本工程は、①Low-k絶縁膜の成膜、②ビア/トレンチのリソグラフィー&エッチング、③バリアメタル(TaN/Ta)成膜、④銅シード層スパッタ、⑤電解めっきによる銅充填、⑥CMPによる表面平坦化、で構成される。「Via-First」「Trench-First」「Self-Aligned」など複数のプロセス順序変形があり、ノードや設計によって使い分けられる。

デュアルダマシンの課題は配線の微細化にある。10nm以下のノードでは、銅のサイズ効果(電気抵抗率の増大)とバリアメタル体積比率の増大が配線抵抗を押し上げる。このため、バリアレス銅配線やルテニウム(Ru)・モリブデン(Mo)などの代替金属への置換が研究されている。Applied Materialsは低抵抗配線向けの新世代CVD/PVD装置を積極的に展開している。

EUVリソグラフィーとの組み合わせによりデュアルダマシンのビア・トレンチパターンの解像度は向上しているが、EUV確率論的ノイズに起因するパターン欠陥(ブリッジ、断線)が新たな課題となっている。またドライフィルムレジストのEUV対応が進む中、エッチング選択性の最適化も継続的な研究対象である。

2nm世代以降では、SiO₂系のLow-k材料に代わり、Air Gap(空気層)を配線間絶縁に使うAir Gap配線や、EUV Self-Aligned Via技術が注目されている。Lam Research・TELはデュアルダマシン向けエッチング・CMP装置で高い市場シェアを持つ。デュアルダマシン技術の進化はチップ性能・消費電力・歩留まりに直結する重要技術領域である。

図解

デュアルダマシン(ビアファースト)の工程(low-k成膜・ビア・溝・めっき・CMP)
先端ロジックの銅配線の標準的な作り方。

紛らわしい言葉の切り分け

銅配線とアルミ配線。違いは作り方です。アルミ配線は膜を付けてからドライエッチングで形を作ります。銅配線は先に溝を掘り、バリア膜とめっきで銅を埋めてCMPで削るダマシン法で作ります。銅は抵抗が低くエレクトロマイグレーションにも強い代わりに、バリア膜が必須です。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール配線RC遅延計算ツール(Cu・Co・Ru・Mo比較)計算・換算ツールめっき膜厚・時間 計算ツール(ファラデーの法則)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)配線工程(メタライゼーション)エンジニア

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Reflexion LK CMPApplied Materials・金属CMP装置
Flex®Lam Research・酸化膜エッチャー
Ultra ECP mapACM Research・めっき装置(電解銅めっき)
Raider® ECDApplied Materials・めっき装置(電解銅めっき)

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

配線・メタライゼーション のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

荏原製作所日本ASMインターナショナルオランダKokusai Electric(国際電気)日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Applied Materials「Reflexion LK CMP 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. Lam Research「Flex® 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. ACM Research「Ultra ECP map 製品ページ」(2026/10/07 確認)