銅配線(ダマシン法)とは

Copper Interconnect / Damascene Process

最終更新:2026-10-07・成膜装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

定義・解説

銅配線(Copper Interconnect)は、半導体デバイスの多層配線に銅(Cu)を使用する技術です。銅はアルミニウム(Al)に比べて電気抵抗率が約40%低く(Cu:1.7μΩ・cm、Al:2.7μΩ・cm)、エレクトロマイグレーション(電流による原子移動)耐性も高いため、高速・高信頼性の配線材料として1997年のIBM 180nmノードで初めて量産に採用されました。

銅配線の製造には「ダマシン法(Damascene Process)」が使われます。シングルダマシンは絶縁膜に溝(トレンチ)を掘り銅で充填する方式、デュアルダマシンはビアホールとトレンチを同時に掘り一度の銅充填で上下配線を接続する方式です。銅は直接絶縁膜に接すると拡散・腐食するため、TaN/Ta(バリアメタル)をスパッタリングで形成後、銅シード層をスパッタし、電解メッキで銅を充填します。

銅充填後はCMP(化学機械研磨)で余剰の銅とバリアメタルを研磨し、表面を平坦化します。銅の拡散防止には、絶縁膜上にSiCN・SiN等の銅拡散バリア膜(キャップ層)をPECVDで成膜します。このCMP→キャップ層成膜のシーケンスが各配線層ごとに繰り返されます。

先端ノード(5nm以下)では配線の微細化が進み、銅配線の線幅が10nm以下になることでバリアメタルの体積比が増大し実効的な電気抵抗が増加します。この問題への対策として、Rutenium(Ru)やMolybdenum(Mo)などの低抵抗メタルをバリアレス配線として採用する研究・開発が進んでいます。

関連装置として、バリアメタル・シード層形成にApplied Materials(Endura PVD)、電解銅めっきにLam Research(Sabre系)・Applied Materials(Raider系)、銅CMP研磨にApplied Materials(Reflexion)・荏原製作所が主要サプライヤーです。低誘電率(Low-k)絶縁膜との組み合わせ(Cu/Low-k配線)が先端ロジックの標準構成です。

製造工程フローでの位置

銅配線(ダマシン法)は全21ステップのうち STEP 13 にあたります(青枠)。

前工程(ウェハプロセス)後工程(組立・実装・テスト)01シリコンウェハの準備02エピタキシャル成長03↻洗浄04熱酸化05↻成膜06↻レジスト塗布07↻露光(リソグラフィ)08↻エッチング09↻アッシング(レジスト除去)10イオン注入11アニール(活性化熱処理)12↻CMP(平坦化)13↻配線形成(ダマシン)14↻ウェハ検査・計測15ウェハテスト(プロービング)16ウェハ薄化(裏面研削)17ダイシング18ダイボンディング19ワイヤボンディング20モールディング(封止)21最終テスト
↻ は配線などの層の数だけ繰り返す工程です。各工程をクリックすると用語解説へ進みます。

図解

銅配線とアルミ配線の比較(比抵抗・EM耐性・作り方・バリア)
最も細い配線では、コバルトやルテニウムへの置き換えも始まっている。

紛らわしい言葉の切り分け

銅配線とコバルト・ルテニウム配線。銅はもともとの抵抗が最も低い金属ですが、配線が細くなると表面や粒界での散乱で抵抗が急に上がり、バリア膜も断面積を削ります。コバルトやルテニウムは細い配線でも抵抗の上がり方が緩く、バリアを薄くできるため、最も細いローカル配線で使われ始めています。 比較記事 →

銅配線とアルミ配線。違いは作り方です。アルミ配線は膜を付けてからドライエッチングで形を作ります。銅配線は先に溝を掘り、バリア膜とめっきで銅を埋めてCMPで削るダマシン法で作ります。銅は抵抗が低くエレクトロマイグレーションにも強い代わりに、バリア膜が必須です。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算ツール加速係数・故障率(FIT)計算ツール計算ツール配線RC遅延計算ツール(Cu・Co・Ru・Mo比較)計算ツールめっき膜厚・時間 計算ツール(ファラデーの法則)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)配線工程(メタライゼーション)エンジニア

設備の製造メーカー

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

Lam Research米国

エッチング装置の世界的リーダー。約39%の市場シェアを持ち、原子層エッチング(ALE)技術で先端3Dチップアー…

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

ANTARES™東京エレクトロン(TEL)・ドライ洗浄装置
Endura® PVDApplied Materials・PVD装置
Ultra ECP mapACM Research・めっき装置(電解銅めっき)
PlanarClean® AGEntegris・CMP後洗浄装置
Raider® ECDApplied Materials・めっき装置(電解銅めっき)

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出典・参考資料

  1. 東京エレクトロン nanotec museum「半導体用語集:銅配線」(2026/10/07 確認)
  2. 東京エレクトロン(TEL)「ANTARES™ 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. Applied Materials「Endura® PVD 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  4. ACM Research「Ultra ECP map 製品ページ」(2026/10/07 確認)
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