多層配線(Multilevel Interconnect)は、シリコン上に作り込まれた数十億個のトランジスタを電気的につなぐために、金属配線層を絶縁膜を挟んで何層も積み重ねる構造です。先端ロジックでは10層以上にもなり、各層はビア(縦方向の接続)で結ばれます。配線工程はBEOL(Back End of Line:後段配線工程)と呼ばれます。
配線層は役割で階層化されます。トランジスタ直上の微細な局所配線(ローカル)、中間配線(インターミディエート)、電源やクロックを通す太いグローバル配線へと、上層ほどピッチが広がります。各層の間を埋める層間絶縁膜(ILD)と、層間をつなぐビアの設計が、信号遅延と消費電力を左右します。
微細化に伴い配線が細く長くなると、配線抵抗と容量による遅延(RC遅延)がトランジスタ性能を律速します。これを抑えるため、低抵抗の銅(Cu)ダマシン配線と、容量を下げる低誘電率(Low-k)絶縁膜の組み合わせがBEOLの標準になりました。
先端ノードでは、容量をさらに下げるエアギャップ、抵抗を下げるコバルト・ルテニウム配線、そして配線層から電源網を裏面に移すバックサイド電源供給(BSPDN)などが導入されています。copper-interconnectやdual-damascene、low-k、interlayer-dielectricの各項とあわせて読むと、配線工程の全体像が掴めます。