最終更新 2026-10-10

多層配線とは

Multilevel Interconnect

多層配線とは、シリコン上の数十億個のトランジスタを電気的につなぐため、金属配線層を絶縁膜を挟んで何層も積み重ねる構造です。先端ロジックでは10層以上に達し、各層はビアで縦につながれます。配線工程はBEOL(後段配線工程)と呼ばれ、微細化に伴い配線抵抗と寄生容量による遅延が性能のボトルネックになります。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

多層配線(Multilevel Interconnect)は、シリコン上に作り込まれた数十億個のトランジスタを電気的につなぐために、金属配線層を絶縁膜を挟んで何層も積み重ねる構造です。先端ロジックでは10層以上にもなり、各層はビア(縦方向の接続)で結ばれます。配線工程はBEOL(Back End of Line:後段配線工程)と呼ばれます。

配線層は役割で階層化されます。トランジスタ直上の微細な局所配線(ローカル)、中間配線(インターミディエート)、電源やクロックを通す太いグローバル配線へと、上層ほどピッチが広がります。各層の間を埋める層間絶縁膜(ILD)と、層間をつなぐビアの設計が、信号遅延と消費電力を左右します。

微細化に伴い配線が細く長くなると、配線抵抗と容量による遅延(RC遅延)がトランジスタ性能を律速します。これを抑えるため、低抵抗の銅(Cu)ダマシン配線と、容量を下げる低誘電率(Low-k)絶縁膜の組み合わせがBEOLの標準になりました。

先端ノードでは、容量をさらに下げるエアギャップ、抵抗を下げるコバルト・ルテニウム配線、そして配線層から電源網を裏面に移すバックサイド電源供給(BSPDN)などが導入されています。copper-interconnectやdual-damascene、low-k、interlayer-dielectricの各項とあわせて読むと、配線工程の全体像が掴めます。

図解

多層配線の階層構成(グローバル配線・中間層・ローカル配線・トランジスタ)
各層はビアで縦につながり、BEOL(後段配線工程)で作られる。

関連するデータ・ツール

図解半導体前工程の断面図解(MOSFETができるまで)計算・換算ツール配線RC遅延計算ツール(Cu・Co・Ru・Mo比較)

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)配線工程(メタライゼーション)エンジニア

よくある質問(FAQ)

配線は何層くらいあるのですか?
先端ロジックでは10〜15層以上に達します。トランジスタに近い下層(ローカル配線)は細く高密度、上層(グローバル配線)は電源供給や長距離信号のため太くなり、階層ごとに配線幅とピッチが設計されています。
配線遅延(RC遅延)とは何ですか?
配線の抵抗(R)と、配線間や層間の寄生容量(C)の積で決まる信号の遅れです。微細化で配線が細くなるとRが増え、間隔が狭まるとCが増えるため、トランジスタが速くなっても配線が全体の性能を律速するようになりました。
配線遅延を減らすにはどうしますか?
抵抗を下げるためアルミから銅へ、さらに細線ではCoやRuへの置き換えが検討されています。容量を下げるためには層間絶縁膜をSiO₂よりも誘電率の低いlow-k材料へ置き換え、さらに空気層(エアギャップ)を導入する手法も使われます。

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. SCREENセミコンダクターソリューションズ「初心者のための半導体入門:Cu配線」(2026/10/10 確認)