最終更新 2026-10-10

HTOLとは(高温動作寿命試験)

HTOL (High Temperature Operating Life)

HTOL(高温動作寿命試験)とは、125℃前後・規定以上の電圧で1,000時間程度連続動作させ、通常使用時の寿命とFITを推定する加速寿命試験です。初期不良を除去するバーンインとは目的が異なり、こちらは摩耗故障の到来時期を予測する評価試験です。TDDB・NBTI・HCI・エレクトロマイグレーションが加速され、試験前後の特性変動で判定します。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

HTOL(High Temperature Operating Life:高温動作寿命試験)とは、デバイスを高温かつ規定以上の電圧で連続動作させ、通常使用時の寿命を推定する加速寿命試験です。125℃前後で1,000時間の連続動作が代表的な条件で、車載など高信頼が要求される用途ではさらに長時間・高温の条件が課されます。

目的はバーンインとはっきり異なります。バーンインは初期不良(バスタブ曲線の左側)を出荷前に炙り出して取り除くスクリーニング工程であり、全数または抜取りで実施して不良品を除去します。対してHTOLは摩耗故障(右側)の発生時期を推定する評価試験で、少数のサンプルを長時間ストレスにさらし、そこから製品寿命とFIT(故障率)を見積もります。合否ではなく寿命予測が成果物です。

加速の考え方はアレニウス則に基づきます。温度を上げると化学的・物理的な劣化反応が指数関数的に速く進むため、高温での短時間試験を常温での長時間動作に換算できます。活性化エネルギーを仮定して加速係数を求め、1,000時間の試験結果を10年相当の使用条件に読み替える、といった計算を行います。電圧ストレスによる加速も併用されます。

HTOLで顕在化するのは、主に前工程起因の摩耗劣化です。TDDB(ゲート酸化膜の経時破壊)、NBTI(負バイアス温度不安定性)、HCI(ホットキャリア注入)、エレクトロマイグレーションといった機構が高温・高電圧で加速され、しきい値電圧のシフトや配線抵抗の増大として現れます。試験前後で電気特性を測定し、規定の変動幅に収まっているかを判定します。

実施には恒温槽とバーンインボード、動作させるためのパターン発生機能が必要で、ESPEC・Chroma ATE・Aehr Test Systemsなどが装置を供給します。新規プロセスや新製品の立ち上げ時、そしてプロセス変更時に実施される、信頼性認定(クオリフィケーション)の中核試験です。

図解

HTOL(高温動作寿命試験)とバーンインの比較(目的・対象・時間)
HTOLではTDDB・NBTI・HCI・エレクトロマイグレーションなどが加速される。

紛らわしい言葉の切り分け

HTOLとバーンイン。同じ高温・高電圧のストレスをかけますが、目的が違います。バーンインは初期不良を出荷前に取り除くスクリーニングです。HTOLは少数のサンプルに長時間ストレスをかけて、摩耗故障が起きる時期と故障率を見積もる評価試験です。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール信頼性試験のサンプル数・LTPD 計算ツール

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)信頼性エンジニア後工程(実装・テスト)顧客品質エンジニア(CQE)

よくある質問(FAQ)

HTOLとバーンインはどう違いますか?
目的が正反対です。バーンインは初期不良を出荷前に炙り出して取り除くスクリーニング工程で、全数または抜取りで実施します。HTOLは摩耗故障の発生時期を推定する評価試験で、少数サンプルを長時間ストレスにさらし寿命とFITを見積もります。合否ではなく寿命予測が成果物です。
1,000時間の試験で10年の寿命がわかるのですか?
加速モデルで換算します。アレニウス則により温度を上げると劣化反応が指数関数的に速く進むため、活性化エネルギーを仮定して加速係数を求め、125℃・1,000時間を常温での数万時間に読み替えます。電圧による加速も併用されます。
HTOLで何が劣化するのですか?
主に前工程起因の摩耗機構です。TDDB(ゲート酸化膜の経時破壊)、NBTI、HCI(ホットキャリア注入)、エレクトロマイグレーションが高温・高電圧で加速され、しきい値電圧のシフトや配線抵抗の増大として現れます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JEDEC「TEMPERATURE, BIAS, AND OPERATING LIFE」(2026/10/10 確認)