サイクルタイム・WIP 計算ツール(リトルの法則)
最終更新:2026-09-26
要点
定常状態の工場では、サイクルタイム = WIP ÷ スループット(リトルの法則)が成り立ちます。半導体前工程は加工より待ち時間が長く、先端ロジックの X ファクターは3〜4程度です。装置の待ち時間は稼働率 u に対して u/(1−u) で増えるため、稼働率90%を超えると急激に長くなります。
工場全体:リトルの法則
サイクルタイム CT = WIP / TH40.0日
X ファクター(CT / 正味加工時間)2.00
マスク1層あたりの日数(DPML)0.57日/層
待ち時間の割合50.0%
月産換算45,000枚/月
リトルの法則は、WIP とスループットが長期的に安定している(定常状態)ときに成り立ちます。立ち上げ期や生産調整中の工場では、実際のサイクルタイムと一致しません。
装置1台:稼働率と待ち時間(Kingman の式)
その装置でのサイクルタイム(待ち+処理)5.22時間
待ち時間4.22時間
装置の X ファクター5.22
稼働率とサイクルタイム(オペレーティングカーブ)
稼働率ごとのサイクルタイム
| 稼働率 | サイクルタイム | X ファクター |
|---|---|---|
| 70% | 2.74 時間 | 2.74 |
| 80% | 3.98 時間 | 3.98 |
| 85% | 5.22 時間 | 5.22 |
| 90% | 7.71 時間 | 7.71 |
| 95% | 15.15 時間 | 15.15 |
稼働率を上げるほど待ち時間が急増する
半導体の前工程は、同じ装置群を何十回も繰り返し通るリエントラントな工程で、1枚のウェハが完成するまでに2〜3か月かかります。その大半は加工ではなく装置の前での待ち時間で、先端ロジックでは X ファクターが3〜4程度になります。リトルの法則から、スループットを変えずにサイクルタイムを縮めるには WIP を減らすしかありません。
待ち時間は稼働率 u に対して u/(1−u) で増えるため、稼働率90%を超えると急激に長くなります。高価な装置ほど稼働率を上げたくなりますが、それはサイクルタイムとのトレードオフです。到着と処理のばらつき(ロットのまとめ投入、段取り替え、故障)を減らすと、同じ稼働率でも待ち時間を大きく短縮できます。