SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

CPUとGPUの違い(アーキテクチャ・用途・製造プロセス比較)

CPU(Central Processing Unit)は少数の高性能コアで複雑な逐次処理を担う「汎用演算の司令塔」、GPU(Graphics Processing Unit)は数千〜数万の小コアで単純演算を超並列実行する「大量データ処理の専門家」です。AI・機械学習の普及でGPUの役割が急拡大し、現在はグラフィックスを超えてデータセンターAI学習の中核を担っています。いずれも最先端のTSMC・Samsung Foundryプロセスで製造されます。

最終更新: 2026-08-02

結論:CPUGPUの違いは?

CPUとGPUの最大の違いは「コアの数と設計思想」です。CPUは大型で複雑な制御回路を持つ高性能コアを4〜128個備え、逐次処理・条件分岐・OSやアプリ全般の汎用タスクを担い、大容量のL1/L2/L3キャッシュで遅延を最小化します。GPUは数千〜数万の小型コアで行列・テンソル演算を超並列実行し、HBM3やGDDR6Xで1〜3TB/sの帯域を確保します。AI学習の中核を担うのはGPUです。

比較表

CPUGPU
CPUGPU観点別比較
観点CPUGPU
コア数・構成高性能コア4〜128個(大型・複雑な制御回路付き)数千〜数万の小型コア(CUDA Core・Streaming Multiprocessor等)
得意な処理逐次処理・条件分岐・OS/アプリ全般の汎用タスク行列演算・テンソル演算・画像処理などの超並列演算
キャッシュ構成大容量L1/L2/L3キャッシュ(遅延最小化重視)小容量だが高帯域のShared Memory・L2キャッシュ
メモリ接続DDR5・LPDDR5(帯域幅:100〜200GB/s級)HBM3/GDDR6X(帯域幅:1〜3TB/s、AIサーバー向け)
TDP(熱設計電力)65〜350W程度(サーバー向け最大350W)300〜700W(NVIDIA H100 SXM:700W、B200:1000W超)
AI学習性能補助的役割(データ前処理・スケジューリング)主役(H100:2000TOPS、B200:4500TOPS)
製造プロセス例Intel Core Ultra(Intel 4nm)、AMD Ryzen(TSMC 4nm)NVIDIA H100(TSMC 4nm)、AMD MI300X(TSMC 5nm)
代表製品Intel Core Ultra・Xeon、AMD Ryzen・EPYC、Apple M-seriesNVIDIA H100/B200、AMD Instinct MI300X、Intel Gaudi3

CPUとGPUの役割分担:ヘテロジニアスコンピューティング

現代のコンピューティングシステムでは、CPUとGPUを組み合わせた「ヘテロジニアス(異種)コンピューティング」が標準となっています。CPUはOSの管理・タスクスケジューリング・複雑なビジネスロジックを担い、GPU/NPUはAI推論・画像処理・科学計算など並列性の高いワークロードをオフロードして処理します。AIサーバーでは1台のサーバーにCPU×2+GPU×8という構成が一般的で、CPUとGPUをNVLink・PCIeで接続します。SoC(スマートフォン・組み込み)ではCPU・GPU・NPU・DSPを一体集積したヘテロジニアスSoCが主流です。

AI時代のGPUとNPU・ASICへの進化

ディープラーニングの台頭でGPUの市場価値が急騰し、NVIDIAの時価総額はIntelを大幅に上回る規模になりました。一方、Google(TPU)・Amazon(Trainium)・Microsoft(Maia)など主要クラウド企業は、GPU依存を減らしAI専用ASIC(AIアクセラレータ)の内製化を進めています。スマートフォンではGPUとは別にNPU(Neural Processing Unit)を専用AIコアとして搭載するSoCが標準化しており、Apple Neural Engine・Qualcomm HexagonがGPUより高いAI処理効率を実現しています。GPUとNPUの比較はgpu-vs-npuの記事、GPUとASICの比較はgpu-vs-asicの記事も参照してください。

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よくある質問

CPUとGPUの最大の違いは何ですか?
コアの数と設計思想です。CPUは少数の高性能コア(4〜128個)で複雑な逐次処理を得意とし、GPUは数千〜数万の小型コアで単純演算を超並列実行します。AIや画像処理のような「同じ演算を大量データに適用する」ワークロードではGPUが圧倒的に有利です。
AI推論にはCPUとGPUどちらが向いていますか?
大規模なAIモデル(LLM・画像生成等)の推論にはGPUまたは専用AIアクセラレータ(NPU・ASIC)が適しています。CPUでも軽量なモデルの推論は可能ですが、NVIDIA H100などのAI特化GPUと比べると性能/W比で大きく劣ります。スマートフォンではNPU(Apple Neural Engine等)がCPU/GPU比で最も効率的にAI処理を実行します。
CPUとGPUは同じ半導体工場で製造されますか?
多くの場合、同じTSMC・Samsung Foundryの最先端ノード(3〜4nm)を使いますが、チップのダイサイズと製造コストが大きく異なります。GPU(NVIDIA H100:814mm²)はCPU(Apple M3:37.3mm²等)より数倍〜十数倍面積が大きく、先端ノードの大型ダイを大量生産するためにCoWoSなどの先端パッケージング技術も組み合わされます。

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