CPU(中央演算処理装置)はコンピュータの演算・制御の中核チップ。マルチコア(サーバー96〜192コア)の仕組み、GPUとの違い、Intel Core・AMD EPYC・Apple M4の比較、TSMC 3nmでの製造まで半導体目線でわかりやすく解説。
CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)とは、コンピュータの演算・制御の中核を担う半導体チップです。プログラムの命令を順次解釈・実行し、メモリへのデータ読み書き・周辺デバイスの制御・演算処理を統括します。現代のCPUはマルチコア構成(1チップに複数の演算コアを搭載)が標準で、サーバー向けは96〜192コア(AMD EPYC Turin・Intel Xeon 6)、PC向けは8〜24コアが主流です。
CPUとGPUの最大の違いは演算アーキテクチャにあります。CPUは少数(数十〜数百)の高性能コアで複雑な逐次処理を得意とし、GPUは数千〜数万の小型コアで単純な並列演算を得意とします。AI・深層学習の訓練にはGPUやTPUが主役ですが、推論のオーケストレーション・OS制御・メモリ管理はCPUが担い、AIサーバーでもCPU(Intel Xeon・AMD EPYC)は不可欠な存在です。
CPUの製造には最先端のロジックプロセス(TSMC 3nm/2nm・Intel 18A)が使われます。Apple M4(TSMC 3nm N3E)・AMD EPYC Turin(TSMC 4nm N4P)・Intel Core Ultra(TSMC N3B)など主要CPUはTSMCが受託製造しており、TSMCのロジック先端ノード需要の主要ドライバーとなっています。Intelは自社ファブ(Intel 3プロセス)でCPUを製造する数少ないIDMとして知られます。
CPUの性能指標はクロック周波数・コア数・キャッシュ容量・メモリ帯域幅(DDR5・HBM)の組み合わせで決まります。AI推論サーバーでは「CPUのメモリ容量(DDR5 RDIMM)」がLLMのKVキャッシュ保存量を左右し、AMD EPYC Genaでは12チャネルDDR5で最大3TB以上のメモリ搭載が可能です。CXL(Compute Express Link)を使ったメモリ拡張も2026年以降に普及が見込まれます。
CPU市場はIntel・AMD・Apple(Mシリーズ)・Qualcomm(ARM系)・AmpereがPC・サーバー・モバイルで競合します。ARMアーキテクチャへの移行が加速しており、Apple Silicon(M4)・AWS Graviton4・Amazon Trainium2のようにARM CPUとAIアクセラレータを統合するSoC設計が主流化しています。CPU製造装置市場では先端ロジック装置(EUV露光・ALD・エッチング)への需要増加が継続しています。