AIアクセラレータとは、機械学習・ディープラーニングの学習(Training)および推論(Inference)処理を高速・省電力で実行するために設計された専用半導体チップの総称です。汎用CPU・GPUに対して、行列演算・テンソル演算・スパース演算に特化した演算ユニットと広帯域メモリインターフェースを組み合わせることで、AIワークロードの処理効率を大幅に向上させます。GPU(NVIDIA H100/B200)、クラウド向けASIC(Google TPU・AWS Trainium・Microsoft Azure Maia)、エッジ向けNPU(Apple Neural Engine・Qualcomm Hexagon)が主要カテゴリです。
AIアクセラレータ市場はNVIDIAが圧倒的シェア(2024年時点で約80%)を持ちながら、Google・Amazon・Microsoft・Metaなどハイパースケーラーが内製ASICで独自化を進めています。学習用途ではHBM(高帯域幅メモリ)との組み合わせが必須で、NVIDIA H100はHBM3を80GB搭載しています。推論用途では省電力と小型化が重要で、エッジデバイスへのNPU統合が主流です。チップレット設計(計算ダイ+I/Oダイの分離)も普及しています。
AIアクセラレータの製造はTSMCのCoWoS(2.5D実装)・InFOなどの先端パッケージング技術と一体で進化しています。TSMC N4/N3ノードで製造されるGPUダイをシリコンインターポーザ上にHBMと並置するCoWoS実装が、高性能AIサーバーの標準構成となっています。2025〜2026年にかけてBlackwell(NVIDIA)・Trainium3(AWS)・TPU v6(Google)の大量生産が進み、TSMC・Samsung Foundryへの需要を押し上げています。asic-vs-fpgaの比較記事も参照してください。