比較トランジスタ最終更新 2026-08-02

CFETとGAAの違い(次世代トランジスタ2nm以降)

GAA(Gate-All-Around)はFinFETの後継としてTSMC(N2)・Samsung(SF3)・Intel(Intel 18A)が2nm〜1.8nmノードで量産を開始・計画中の次世代トランジスタ構造です。CFET(Complementary FET)はnMOSとpMOSを垂直方向に積み重ねる「スタック型」設計でGAAよりさらに高い集積密度を目指すものであり、1nm以降の量産を視野に入れたIMEC・TSMC・Intel等の研究開発フェーズ技術です。

結論

CFETとGAAの最大の違いは「量産段階か研究開発段階か」です。GAAは水平ナノシートをゲートが四方から囲む構造で、TSMC N2・Samsung SF3・Intel 18Aが2nm〜1.8nm世代で量産を開始・計画しており、FinFET比で約15〜20%の面積削減を実現します。CFETはnMOSとpMOSを垂直方向に積み重ねてGAA比さらに20〜40%の面積削減を狙う構造ですが、積層時の精密アライメントが極めて難しく、IMEC・TSMC・Intelなどが1nm以降を視野に研究開発を進める段階です。

主な違い

GAA(ナノシートFET)とCFET(Complementary FET)の観点別比較
観点GAA(ナノシートFET)CFET(Complementary FET)
基本構造水平ナノシート(薄い板状チャネル)をゲートが四方から囲む構造nMOSとpMOSのナノシートを垂直方向に積み重ねた構造
FinFETとの関係FinFETの直系後継(TSMC N2・Samsung SF3・Intel 18Aで量産開始)GAAのさらなる進化型(現状は研究・開発段階)
面積スケーリングFinFET比:約15〜20%面積削減(TSMC N2比N3比較)GAA比:さらに20〜40%の面積削減が期待される
製造難易度高い(ナノシートリリース・選択エッチが複雑)極めて高い(nMOS・pMOS積層の精密アライメントが必要)
量産時期2024〜2025年(TSMC N2・Samsung SF2量産開始)2030年代以降の見込み(現在はIMEC・TSMC等で試作研究中)
電力・性能FinFET比:同速度で約25〜30%消費電力削減GAA比:さらなる消費電力削減と集積度向上を目指す

GAAトランジスタ(ナノシートFET)の実用化状況

GAAはナノシートと呼ばれる水平薄板シリコン(またはSiGe)チャネルをゲート電極が四方から囲む構造で、FinFETよりゲート制御性が高くショートチャネル効果を抑制できます。Samsung Foundryは2022年に世界初の3nm GAA(SF3E)量産を開始し、TSMCはN2ノードで2025年量産予定です。Intel 18AではRibbon FET(GAAの変形)を採用しています。FinFETとGAAの詳細な比較はfinfet-vs-gaaを参照してください。

CFETが目指す究極の集積化

CFETはGAAのナノシートをnMOSとpMOS向けに垂直積層する構造です。従来はnMOSとpMOSを水平方向に並べていましたが、CFETでは垂直方向に積み上げることでスタンダードセル面積を大幅に縮小できます。IMECが概念実証を発表しており、TSMC・Samsung・Intelも1nm以降の構造として研究しています。製造プロセスの複雑さ(積層の精密な位置合わせ・高選択エッチング・熱処理制約)が最大の課題で、量産化には現在のGAAをベースにしたノウハウの蓄積が必要です。プロセスノード全般はfinfet-vs-fdsoi・3nm-vs-5nmの比較記事も参照してください。

よくある質問

GAAとCFETはどちらが次世代トランジスタですか?
時系列ではGAAが先です。GAAは2024〜2025年にTSMC・Samsung・Intelが量産を開始している現行次世代技術です。CFETはGAAのさらに次の世代(1nm以降、2030年代)を目指す研究開発段階の技術で、現在は量産化されていません。
CFETはFinFETやGAAとどう違いますか?
FinFETは鰭(ひれ)状のSi突起、GAAはナノシート(薄板)チャネルをゲートが四方から囲む構造です。CFETはGAAのナノシートをnMOSとpMOS向けに垂直に積み重ねた構造で、同一フットプリントに2倍の密度でトランジスタを実装できる究極のスケーリング技術です。
Intel 18AとTSMC N2はGAAですか?
はい、どちらもGAA構造を採用しています。Intel 18AはRibbon FET(GAAの変形)、TSMC N2はナノシート(Nanosheet)FETです。Samsung SF3はGAAとして2022年から量産中です。

あわせて読む


出典・参考資料

  1. imec「Towards a process flow for monolithic CFET transistor architectures」(2026/10/10 確認)
  2. imec「Advancing the CFET-based device roadmap: novel integration modules and standard cell configurations (Part 1)」(2026/10/10 確認)
  3. TSMC「2nm Technology」(2026/10/10 確認)
  4. imec「Outer wall forksheet to bridge nanosheet and CFET device architectures in the logic technology roadmap」(2026/10/10 確認)