アスペクト比(Aspect Ratio)は、トレンチ(溝)・ビア(穴)・コンタクトホールなどの微細構造における「深さ÷幅(開口径)」の比です。アスペクト比が高い(=深くて細い)ほど、エッチングでの加工も、その後の成膜での埋め込み(ギャップフィル)も難しくなり、先端プロセスの難易度を象徴する指標になります。
高アスペクト比の加工には、垂直性の高い異方性エッチングが必要で、深掘りにはDRIE(深掘り反応性イオンエッチング)などが用いられます。一方、深い穴・溝を空隙(ボイド)なく埋めるには、段差被覆性に優れるALDや、ボトムアップ性の高い成膜・めっきが求められます。
極端な高アスペクト比の代表例が3D NANDのチャネルホールで、積層数の増加とともにアスペクト比は60を超える領域に達しています。ほかにもDRAMのキャパシタ、TSV(シリコン貫通電極)など、高アスペクト構造は先端メモリ・パッケージングの要となっています。
アスペクト比はエッチング・成膜・洗浄のあらゆる工程の限界を規定し、装置・プロセス開発の中心課題です。drieやetching、ald、3d-nandの各項とあわせて読むと、なぜ高アスペクト比加工が難しく重要なのかが理解できます。装置はLam Research・東京エレクトロン・Applied Materialsなどが手がけます。