最終更新 2026-10-19

TSVとは(貫通シリコンビア)

Through-Silicon Via

TSV(シリコン貫通電極)とは、シリコンウェハやダイを垂直に貫通する導電ビアを形成し、積層した複数のダイを最短距離で電気接続する技術です。ワイヤーボンディングに比べ接続距離が桁違いに短く、1ダイあたり数千〜数万本の接続が可能なため、超高速・低消費電力の信号伝達を実現します。HBMの積層や3D ICの中核技術です。

目次9項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連する製品
  7. 関連用語
  8. 比較・違いを学ぶ
  9. 出典・参考資料

定義・解説

TSV(Through-Silicon Via:シリコン貫通電極)はシリコンを垂直に貫く金属ビアで積層ダイを最短距離で接続する技術。HBM(高帯域幅メモリ)の核心技術でAI GPU(NVIDIA H100等)に不可欠。形成工程はDRIE→ALD絶縁膜→Cuめっき→CMP→ウェハ薄化の流れ。Lam Research・Applied Materials・DISCOの関連装置をわかりやすく解説。

TSV(Through-Silicon Via/シリコン貫通電極)は、シリコンウェハまたはダイを垂直方向に貫通する導電性ビア(穴に金属を充填した電極)を形成し、積層した複数のダイを最短距離で電気的に接続する技術です。従来のワイヤーボンディングに比べて接続距離を大幅に短縮でき、超高速・低消費電力の信号伝達を実現します。

TSVはHBM(High Bandwidth Memory)や3D-ICの核心技術として普及しています。HBMでは複数のDRAMダイをTSVで垂直接続し、広帯域幅のメモリスタックを実現します(HBM3Eでは1TB/s以上の帯域幅)。AIアクセラレータ(NVIDIA H100、AMD MI300X等)との2.5D実装(CoWoS)でシリコンインターポーザを介して接続され、演算チップと密接に協調動作します。

TSV形成プロセスは高度な技術が必要です。まず超高アスペクト比(深さ/径=5〜20:1)のビアホールをDRIE(深掘り反応性イオンエッチング)で形成し、絶縁ライナー(SiO₂・SiN)をALDで側壁に成膜、バリアメタル(Ta/TaN)のスパッタ、銅シード層スパッタ、電解銅めっきでビアを充填し、最後にCMPで余剰の銅を研磨します。

ウェハを薄型化(Wafer Thinning)してTSVを露出させる工程も必要です。ウェハ裏面をグラインダーで50〜100μmまで研削し、その後CMP・ウェットエッチングで平滑化します。薄ウェハは割れやすいため、研削前にサポートウェハへの仮接着(Temporary Bonding)と完成後の剥離(Debonding)が必要で、DISCO・Brewer Science等の技術が使われます。

TSV関連装置のサプライヤーとして、DRIEエッチングにはLam Research(SPTS Technology)、銅めっきにはLam Research・Applied Materials、ウェハ研削にはDISCO・岡本工作機械、ウェハ接合にはEV Group・SUSS MicroTecなどが関与しています。AI・HPC向けHBM需要の急拡大が、TSV関連プロセス・装置市場の最大の成長ドライバーとなっています。

図解

TSV(シリコン貫通電極)の作り方(穴あけ・絶縁膜・バリア・めっき・薄化)
トランジスタの後、配線の途中で作る方式をビアミドルと呼ぶ。

紛らわしい言葉の切り分け

TSVとワイヤボンディング。違いは接続の密度と長さです。TSVはシリコンを縦に貫く電極で、非常に多くの接続を最短距離で作れるため、HBMなどの積層に欠かせません。ワイヤボンディングは金属細線でパッドをつなぐ成熟した方法で、密度は劣りますが安価で、汎用品に広く使われています。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データHBM世代別スペック一覧表(HBM2E〜HBM4)図解パッケージ構造の断面比較図(ワイヤボンド〜3D積層)計算・換算ツールHBM帯域幅計算ツール(GPUのメモリ帯域・容量)計算・換算ツールめっき膜厚・時間 計算ツール(ファラデーの法則)

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発SI/PIエンジニア(シグナル・パワーインテグリティ)

よくある質問(FAQ)

TSVとは何ですか?
シリコンを垂直に貫く電極(Through-Silicon Via)です。積層したチップを最短距離で接続し、HBMや3D ICの核心技術です。
TSVはどうやって作りますか?
深いビアをDRIEで掘り、絶縁膜をALDで成膜、銅をめっきで充填し、CMPで平坦化、ウェハを薄化します。
TSVは何に使われますか?
HBM(DRAM積層)、3D NAND、CMOSイメージセンサー、3D ICなど、チップを縦に積んで高帯域・小型化する用途で使われます。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

SABRE® 3DLam Research・めっき装置(電解銅めっき)
NSX® 330Onto Innovation・マクロ検査装置
APAMAKulicke & Soffa・ダイボンダー
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FIREBIRD TCBASMPT・チップレット実装装置
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Centura® Silvia™ EtchApplied Materials・TSV形成装置
UFP600AS型荏原製作所・TSV形成装置
ASE-PegasusSPPテクノロジーズ・MEMS
Synapse™ V/Synapse™ Z Plus東京エレクトロン(TEL)・TSV形成装置
SPTS Osprey® PECVDKLA・TSV形成装置
VIANCA シリーズレーザーテック・TSV形成装置

ほか 12 製品は製品一覧から探せます。

デバイスの製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Lam Research「SABRE® 3D 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. Onto Innovation「NSX® 330 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. リンテック「Adwill RAD-2512F/12 製品ページ」(2026/10/07 確認)