SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

ステルスダイシングとブレードダイシングの違い

ブレードダイシングは回転する砥石でウェハを削り取る従来の個片化法、ステルスダイシングはウェハ内部にレーザーで改質層を作りテープ拡張で割断するDISCOの技術です。切り代・端面品質・薄ウェハ対応で大きく異なり、用途に応じて使い分けます。

最終更新: 2026-08-02

結論:ステルスダイシングブレードダイシングの違いは?

ステルスダイシングとブレードダイシングの最大の違いは「切り代(カーフ)の有無」です。ステルスダイシングはウェハ内部にレーザーで改質層を作り、テープを拡張して割断するため切り代がほぼゼロで、切りくずが出ずチッピングも極小に抑えられ抗折強度が高く、50μm以下の極薄ウェハに好適です。ブレードダイシングは回転する砥石ブレードで物理的に切削するためブレード幅ぶんの切り代が必要で、端面の欠けや微小クラックが発生しやすくなります。

比較表

ステルスダイシングブレードダイシング
ステルスダイシングブレードダイシング観点別比較
観点ステルスダイシングブレードダイシング
加工原理ウェハ内部にレーザー改質層→エキスパンドで割断回転する砥石ブレードで物理的に切削
カーフ(切り代)ほぼゼロ(取り代を最小化)ブレード幅ぶんの切り代が必要
チッピング・クラック切りくず無し・チッピング極小で抗折強度が高い端面の欠け・微小クラックが発生しやすい
薄ウェハ対応50μm以下の極薄ウェハに好適薄ウェハでは割れ・欠けのリスク増
プロセス環境ドライ(切削水不要)で洗浄負荷が低い切削水・洗浄が必要
スループット・コスト多段加工で工程は増えるが歩留まり面で有利枯れた技術で高スループット・低コスト

ステルスダイシングが薄型で有利な理由

ステルスダイシングはレーザーをウェハ内部に集光して改質層を作り、ダイシングテープのエキスパンドで割断します。表面を物理的に削らないため切りくずが出ず、チッピングや微小クラックを大幅に抑えられます。これによりダイの抗折強度が上がり、50μm以下に薄化したメモリ積層やカード用途でも高歩留まりで個片化できます。

ブレードダイシングの強み

ブレードダイシングは長年の実績がある枯れた技術で、高いスループットと低コストが魅力です。厚めのウェハや一般的な用途では依然として主力で、設備・プロセスのノウハウも豊富です。一方で薄ウェハや硬脆材料では端面品質の確保が難しくなります。

使い分けと他方式

薄型・高信頼・低汚染が求められる用途ではステルスダイシング、コスト・スループット重視の一般用途ではブレードダイシングが選ばれます。さらにプラズマダイシングやレーザーアブレーションなど、材料・厚み・パターンに応じた個片化手法の選択肢が広がっています。

関連ページ

ステルスダイシング(用語集)
レーザーダイシング(用語集)
ウェハ薄化(用語集)
バックグラインダー(用語集)
ダイシング・グラインディング装置カテゴリ
DISCO企業ページ(ステルスダイシングの提供元)

よくある質問

ステルスダイシングはなぜ切りくずが出ないのですか?
ウェハ表面を砥石で削るのではなく、レーザーをウェハ内部に集光して改質層(割れの起点)を形成し、テープのエキスパンドで割断するためです。物理的な切削を伴わないため切りくず(デブリ)が発生しません。
薄いウェハにはどちらが向きますか?
50μm以下の極薄ウェハにはステルスダイシングが適します。チッピングや微小クラックを抑え抗折強度を確保できるため、メモリの多段積層など薄型・高信頼用途で採用されています。
ブレードダイシングはもう使われませんか?
いいえ。高スループット・低コストの枯れた技術として、厚めのウェハや一般的な用途では現在も主力です。薄型・低汚染が必要な領域でレーザー系・プラズマ系へ置き換えが進んでいます。

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