ステルスダイシングとブレードダイシングの違い
ブレードダイシングは回転する砥石でウェハを削り取る従来の個片化法、ステルスダイシングはウェハ内部にレーザーで改質層を作りテープ拡張で割断するDISCOの技術です。切り代・端面品質・薄ウェハ対応で大きく異なり、用途に応じて使い分けます。
結論
ステルスダイシングとブレードダイシングの最大の違いは「切り代(カーフ)の有無」です。ステルスダイシングはウェハ内部にレーザーで改質層を作り、テープを拡張して割断するため切り代がほぼゼロで、切りくずが出ずチッピングも極小に抑えられ抗折強度が高く、50μm以下の極薄ウェハに好適です。ブレードダイシングは回転する砥石ブレードで物理的に切削するためブレード幅ぶんの切り代が必要で、端面の欠けや微小クラックが発生しやすくなります。
主な違い
| 観点 | ステルスダイシング | ブレードダイシング |
|---|---|---|
| 加工原理 | ウェハ内部にレーザー改質層→エキスパンドで割断 | 回転する砥石ブレードで物理的に切削 |
| カーフ(切り代) | ほぼゼロ(取り代を最小化) | ブレード幅ぶんの切り代が必要 |
| チッピング・クラック | 切りくず無し・チッピング極小で抗折強度が高い | 端面の欠け・微小クラックが発生しやすい |
| 薄ウェハ対応 | 50μm以下の極薄ウェハに好適 | 薄ウェハでは割れ・欠けのリスク増 |
| プロセス環境 | ドライ(切削水不要)で洗浄負荷が低い | 切削水・洗浄が必要 |
| スループット・コスト | 多段加工で工程は増えるが歩留まり面で有利 | 枯れた技術で高スループット・低コスト |
ステルスダイシングが薄型で有利な理由
ステルスダイシングはレーザーをウェハ内部に集光して改質層を作り、ダイシングテープのエキスパンドで割断します。表面を物理的に削らないため切りくずが出ず、チッピングや微小クラックを大幅に抑えられます。これによりダイの抗折強度が上がり、50μm以下に薄化したメモリ積層やカード用途でも高歩留まりで個片化できます。
ブレードダイシングの強み
ブレードダイシングは長年の実績がある枯れた技術で、高いスループットと低コストが魅力です。厚めのウェハや一般的な用途では依然として主力で、設備・プロセスのノウハウも豊富です。一方で薄ウェハや硬脆材料では端面品質の確保が難しくなります。
使い分けと他方式
薄型・高信頼・低汚染が求められる用途ではステルスダイシング、コスト・スループット重視の一般用途ではブレードダイシングが選ばれます。さらにプラズマダイシングやレーザーアブレーションなど、材料・厚み・パターンに応じた個片化手法の選択肢が広がっています。
よくある質問
ステルスダイシングはなぜ切りくずが出ないのですか?
ウェハ表面を砥石で削るのではなく、レーザーをウェハ内部に集光して改質層(割れの起点)を形成し、テープのエキスパンドで割断するためです。物理的な切削を伴わないため切りくず(デブリ)が発生しません。
薄いウェハにはどちらが向きますか?
50μm以下の極薄ウェハにはステルスダイシングが適します。チッピングや微小クラックを抑え抗折強度を確保できるため、メモリの多段積層など薄型・高信頼用途で採用されています。
ブレードダイシングはもう使われませんか?
いいえ。高スループット・低コストの枯れた技術として、厚めのウェハや一般的な用途では現在も主力です。薄型・低汚染が必要な領域でレーザー系・プラズマ系へ置き換えが進んでいます。
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出典・参考資料
- ディスコ「ステルスダイシング加工」(2026/10/07 確認)