DBC基板(Direct Bonded Copper)とは、セラミック板の両面に厚い銅箔を直接接合した絶縁放熱基板です。パワーモジュールの内部でチップを載せる土台として使われ、電気的な絶縁と熱の伝達という相反する役割を同時に担います。
セラミックにはアルミナ(Al₂O₃)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si₃N₄)が使われます。アルミナは安価ですが熱伝導率が低く、AlNは熱伝導に優れる一方で機械的に脆い性質があります。Si₃N₄は熱伝導と強度のバランスが良く、熱サイクルが厳しい車載用途で採用が広がっています。
パワーモジュールの信頼性を決めるのは、多くの場合この基板まわりの熱応力です。銅とセラミックは熱膨張係数が大きく異なるため、温度が上下するたびに接合部へ応力がかかり、繰り返しによって剥離やクラックが進行します。パワーサイクル試験で評価されるのは主にこの劣化です。
SiCデバイスは高温動作が可能なため、基板側にもより高い耐熱性と熱サイクル耐性が要求されるようになりました。チップ接合をはんだから銀焼結へ置き換える動きと合わせて、モジュール全体を高温対応にする流れが進んでいます。