クリップボンディング(Clip Bonding)は、パワー半導体パッケージにおいて、細いワイヤの代わりに銅製の平板状クリップ(金属板)ではんだ付けによりダイの電極を接続する実装技術である。ワイヤボンディングと比べて接続部の断面積を大幅に拡大できるため、電気抵抗とインダクタンスを低減し、大電流・高周波スイッチングへの対応力を高められる。
車載インバータ・EV駆動系・産業用モーター制御に使われるパワーMOSFET・IGBT・SiC MOSFETパッケージ(TO-247・PQFN等)で採用が広がっており、ワイヤボンディングに比べて熱抵抗も低く放熱性に優れるため、パワー半導体の高電流密度化・小型化に貢献している。
製造工程ではクリップ形状の打ち抜き加工と位置決め精度、はんだ接合部のボイド(空隙)抑制が品質上の重要課題となる。銀焼結接合と組み合わせて、ワイヤボンディングを使わない「ワイヤレスパッケージ」構成を実現する先進的なパワーモジュールも登場している。