TEM(Transmission Electron Microscopy:透過型電子顕微鏡)は、薄く加工した試料に電子線を透過させ、その透過・回折像から原子レベルの分解能で内部構造を観察する分析装置です。半導体では、トランジスタや配線の断面構造を原子オーダーで確認できるため、故障解析とプロセス検証に不可欠です。
TEMは格子像(ラティスイメージ)が得られるほどの高分解能を持ち、ゲートスタックの膜厚・界面、配線・ビアの形状、結晶欠陥などをナノメートル以下で評価できます。電子線を細く絞って走査するSTEMや、EELS・EDXによる元素分析を組み合わせると、構造と組成を同時に把握できます。
用途は、FinFETやGAA(ナノシート)といった微細立体構造の寸法・形状確認、界面層の評価、欠陥・異物の同定、不良箇所の物理解析などです。SEM(走査電子顕微鏡)が主に表面・断面の形状を見るのに対し、TEMは内部を透過して原子配列まで観察できる点が異なります。
観察には電子が透過できるほど薄い試料が必要で、FIB(集束イオンビーム)で目的箇所を薄片化する前処理が一般的です。装置はJEOL(日本電子)や日立ハイテク、Thermo Fisherなどが主要メーカーです。sem・afm・simsなど他の評価手法とあわせて、解析・計測の体系を理解できます。