GLOSSARY

透過型電子顕微鏡(TEM)とは

Transmission Electron Microscopy
最終更新:2026-09-01計測装置

透過型電子顕微鏡(TEM)とは?

TEM(透過型電子顕微鏡)とは、薄く加工した試料に電子線を透過させ、その透過・回折像から原子レベルの分解能で内部構造を観察する分析装置です。半導体ではトランジスタや配線の断面を原子オーダーで確認できるため、ゲート絶縁膜の膜厚測定、界面の評価、故障解析、プロセス検証に不可欠です。

定義・解説

TEM(Transmission Electron Microscopy:透過型電子顕微鏡)は、薄く加工した試料に電子線を透過させ、その透過・回折像から原子レベルの分解能で内部構造を観察する分析装置です。半導体では、トランジスタや配線の断面構造を原子オーダーで確認できるため、故障解析とプロセス検証に不可欠です。

TEMは格子像(ラティスイメージ)が得られるほどの高分解能を持ち、ゲートスタックの膜厚・界面、配線・ビアの形状、結晶欠陥などをナノメートル以下で評価できます。電子線を細く絞って走査するSTEMや、EELS・EDXによる元素分析を組み合わせると、構造と組成を同時に把握できます。

用途は、FinFETやGAA(ナノシート)といった微細立体構造の寸法・形状確認、界面層の評価、欠陥・異物の同定、不良箇所の物理解析などです。SEM(走査電子顕微鏡)が主に表面・断面の形状を見るのに対し、TEMは内部を透過して原子配列まで観察できる点が異なります。

観察には電子が透過できるほど薄い試料が必要で、FIB(集束イオンビーム)で目的箇所を薄片化する前処理が一般的です。装置はJEOL(日本電子)や日立ハイテク、Thermo Fisherなどが主要メーカーです。sem・afm・simsなど他の評価手法とあわせて、解析・計測の体系を理解できます。

よくある質問(FAQ)

TEMとSEMはどう違いますか?
SEMは試料表面に電子を当てて跳ね返ってくる信号から表面形状を観察します。TEMは薄片化した試料に電子線を透過させて内部構造を見るため、断面の層構造を原子レベルの分解能で観察できます。分解能はTEMのほうが高く、そのぶん試料作製の手間がかかります。
TEM観察にはどんな前処理が必要ですか?
電子線が透過するよう、試料を100nm以下まで薄片化する必要があります。半導体ではFIB(集束イオンビーム)を使って観察したい箇所をピンポイントで切り出し、薄片に加工するのが標準的な手法です。
半導体でTEMは何に使われますか?
ゲート絶縁膜やHigh-k膜の膜厚測定、FinFET・GAAの断面形状確認、配線やビアのボイド観察、界面の結晶性評価、そして不良解析での欠陥の特定です。プロセス開発では設計どおりの構造ができているかの最終確認手段になります。

デバイスの製造メーカー

日本電子(JEOL)日本

電子顕微鏡・電子線描画装置・分析機器の総合メーカー。半導体分野ではマスク描画用EB装置・電子線露光装置、研究用…

企業詳細を見る →
日立ハイテク日本

世界をリードする計測・検査技術のパイオニア。電子顕微鏡技術を核とした「見る・測る・分析する」の総合力で、2nm…

企業詳細を見る →
ブルカー(Bruker)ドイツ

科学計測機器・半導体計測装置の世界的メーカー。AFM(原子間力顕微鏡)・X線計測・電子顕微鏡を半導体製造の計測…

企業詳細を見る →

関連カテゴリ

計測装置

関連用語

SEM(走査型電子顕微鏡)とは →欠陥検査とは →SIMS(二次イオン質量分析)とは →原子間力顕微鏡(AFM)とは →FinFETとは →故障解析(FA)とは →
← 用語集に戻る