SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

ArF露光とKrF露光の違い(DUV露光装置比較)

ArFとKrFはどちらもDUV(深紫外線)エキシマレーザーを光源とするフォトリソグラフィ装置ですが、光源波長が根本的に異なります。ArF(フッ化アルゴン)は193nmで、液浸露光(ArFi:純水でNA>1に拡張)と組み合わせることで45nm以下の先端ノードに対応します。KrF(フッ化クリプトン)は248nmで、成熟ノードの量産や先端デバイスの非クリティカル層に現役で使われています。EUV導入後もArFとKrFは半導体ファブ内で不可欠な装置です。

最終更新: 2026-08-02

結論:ArF露光(193nm)KrF露光(248nm)の違いは?

ArF露光とKrF露光の最大の違いは「光源の波長」です。ArFはフッ化アルゴンエキシマレーザーの193nmで、投影レンズとウェハの間に純水を挿入する液浸(ArFi)で実効NA>1を実現し、45nm〜20nmノード、マルチパターニング併用で7nm前後まで対応します。KrFはフッ化クリプトンの248nmで液浸には非対応、250nm〜130nmの成熟ノードや先端デバイスの非クリティカル層で現役です。

比較表

ArF露光(193nm)KrF露光(248nm)
ArF露光(193nm)KrF露光(248nm)観点別比較
観点ArF露光(193nm)KrF露光(248nm)
光源レーザー・波長フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザー:193nmフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー:248nm
液浸露光ArFi(液浸):投影レンズ-ウェハ間に純水(n=1.44)を挿入し実効NA>1を実現液浸非対応(ドライ露光のみ)
解像度(目安)ドライ:90nm前後、ArFi液浸:45nm〜20nmノード対応(マルチパターニング併用で7nm前後まで)250nm〜130nm前後が主な適用ノード
適用ノード先端ロジック(7nm〜)・DRAM・NAND(クリティカル/一部非クリティカル層)成熟ノード(250nm〜130nm)・先端デバイスの非クリティカル層
マルチパターニングSADP/SAQP・LELELE等と組合せ微細化。EUV普及後も補完的に大量使用主に単一または二重露光(LELE)程度で使用
フォトレジスト化学増幅型ArFレジスト(CAR)・EUVとは別設計化学増幅型KrFレジスト(CAR)
代表装置メーカーASML(NXTシリーズ:NXT:2100i等)・ニコン(NSRシリーズ)・キヤノン(FPA-8300iZ等)ASML(PAS 5500シリーズ)・ニコン・キヤノン
装置価格(目安)ArFi液浸機:数十億円〜100億円超(機種・仕様で大幅に異なる)ArFより相対的に低価格。中古市場でも流通

EUV普及後もArFとKrFが現役な理由

EUVはゲート・コンタクト・ビアなどクリティカル層に集中投入されますが、1枚のウェハを完成させるには100工程以上の露光が必要で、その多くはArFやKrFで担われます。先端3nmロジックでもEUV使用はせいぜい全露光工程の20〜30%程度とされており、残りはArFi(多重露光)とKrFです。コスト・スループット・装置台数の観点からも、ArFとKrFは今後も半導体ファブの主力装置であり続けます。

ArFiとは何か:液浸ArF露光の仕組み

ArFi(ArF液浸)は、投影レンズとウェハの間に屈折率n=1.44の純水を充填することで、空気中(n=1.0)より高いNAを実現する露光技術です。NAはn×sinθで決まるため、純水中では同じレンズ角度でも解像度が44%向上します。ASMLのNXT:2100iはNA=1.35で、300WPH超のスループットを実現しています。ArFiはSADPやSAQPと組み合わせると7nmノード前後まで対応でき、EUVが普及した現在もロジック・DRAM・NANDの主力露光技術です。

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よくある質問

ArF露光装置とKrF露光装置の違いは何ですか?
最大の違いは光源波長です。ArFは193nm、KrFは248nmで、波長が短いほど解像度が高くなります。ArFは液浸(ArFi)技術と組み合わせることで45nm以下の先端ノードに対応できますが、KrFは主に250〜130nm前後の成熟ノードに使われます。現在の先端ファブではArFi(液浸)が主力で、KrFは非クリティカル層や成熟品の量産に使われます。
ArF液浸(ArFi)とは何ですか?(ArFi とは)
ArFi(ArF液浸、ArF Immersion)とは、193nm ArFレーザーを使う露光装置で、投影レンズとウェハの間に純水(屈折率n=1.44)を充填して開口数(NA)を1以上に拡張する技術です。空気中の露光(ドライArF)ではNA<1が限界ですが、液浸により解像度が向上します。ASMLのNXT:2100iが代表機種で、305WPH超のスループットを持ちます。
KrFはEUVやArFi普及後も使われていますか?
はい、現在も大量に稼働しています。先端ファブで1枚のウェハを製造するには100工程以上の露光が必要ですが、EUVが使われるのはクリティカルな数層のみです。それ以外の多くの層(非クリティカルな配線層・コンタクト等)はArFやKrFで露光されます。特にKrFは成熟ノードやアナログ・パワー半導体の製造では現在も主力装置です。
ArF露光装置のスループット(WPH)はどれくらいですか?
代表的なスループットは:ArFi液浸(ASML NXT:2100i):最大305 WPH(ウェハ/時)、ArFドライ(ASML XT:1900i等):200 WPH前後、KrF(ASML PAS 5500等):機種によるが100〜200 WPH程度です。EUVのNXE:3800E(約220 WPH)に比べてArFiは高スループットで、コストパフォーマンスに優れます。
EUV導入後もArFとKrFが必要な理由は何ですか?
EUVは装置単価が170億円超、スループットもArFiより低いため、全工程をEUVに置き換えることは経済的に不可能です。典型的な先端ロジックウェハ(3nmノード)でEUVを使う露光工程は全体の20〜30%程度で、残りはArFiやKrFです。また、成熟ノード(28nm〜130nm等)の量産では、EUVよりArFやKrFがコスト最適であり続けます。
ArFとKrFではどちらの装置が高価ですか?
ArFi液浸機のほうが大幅に高価です。ASML NXT:2100iなどの最新ArFi装置は数十億〜100億円超とされます。KrF装置は機種にもよりますが相対的に低価格で、中古市場でも流通しています。EUV装置(NXE:3600D:約170億円)はArFiをも大きく上回ります。

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