結論:ポジ型レジストとネガ型レジストの違いは?
ポジ型レジストとネガ型レジストの最大の違いは「露光部が溶けるか残るか」です。ポジ型は露光部が現像液に溶けてマスクパターンがそのまま転写される方式で、一般に高解像度が得られるため先端ロジック・メモリの主流となり、孤立スペースやコンタクトホールの形成に向きます。ネガ型は露光部が硬化して残り未露光部が溶ける方式で、従来は膨潤により解像度が劣る傾向でしたが化学増幅型で改善され、孤立ライン・トレンチ・厚膜パターンや、密着性・耐薬品性が求められる用途に適します。
比較表
| 観点 | ポジ型レジスト | ネガ型レジスト |
|---|---|---|
| 露光部の挙動 | 露光部が現像液に溶ける(マスクパターンが転写) | 露光部が硬化して残る(未露光部が溶ける) |
| 解像度 | 一般に高解像で先端ノードの主流 | 従来は膨潤で劣る傾向(化学増幅型で改善) |
| 適したパターン | 孤立スペース・コンタクトホール向き | 孤立ライン・トレンチ・厚膜パターン向き |
| 密着性・耐性 | 良好(先端プロセスで実績豊富) | 硬化膜で密着性・耐薬品性に優れる |
| 主成分 | ノボラック+DNQ(g/i線)、化学増幅型(KrF/ArF/EUV) | 架橋型・化学増幅ネガ(厚膜・永久レジスト含む) |
| 代表用途 | 先端ロジック/メモリの量産(ArF・KrF・EUV) | MEMS・実装の厚膜/永久レジスト・一部の層やEUV用途 |
| 代表材料メーカー | JSR・東京応化(TOK)・富士フイルム・信越化学・Merck | 東京応化・日本化薬・Merck・Brewer Science など |
化学増幅レジスト(CAR)とEUVレジスト
KrF以降の先端リソグラフィでは、酸を触媒として連鎖反応的に溶解性を変える化学増幅レジスト(CAR:Chemically Amplified Resist)が主流です。少ない露光量で高感度・高解像を実現でき、ArF液浸やEUVでも基盤技術となっています。EUVレジストは13.5nmの少ないフォトン数(ショットノイズ)に起因する確率的(stochastic)欠陥への対策が課題で、従来の化学増幅ポジ型に加え、メタルオキソ系レジストなど新材料の開発が進んでいます。これらの塗布・現像はコータ/デベロッパ(塗布現像装置)が担います。
ポジ・ネガの使い分けと先端動向
先端の微細パターンでは膨潤の少ないポジ型が標準ですが、ネガ型は孤立ラインや厚膜形成、優れた密着性・耐エッチング性を活かして、MEMSや先端パッケージの再配線・バンプ形成(永久レジスト)などで重要な役割を担います。EUVでも、形成したいパターン(コンタクトホールか、ラインか)やプロセスマージンに応じてネガトーン現像(NTD)を含む手法が検討されます。レジストの性能は露光波長やパターニング戦略(シングル/マルチパターニング)と一体で最適化されます。