結論:銅(Cu)配線とアルミ(Al)配線の違いは?
銅配線とアルミ配線の最大の違いは「形成プロセス」です。アルミ配線はブランケット成膜後にドライエッチングでパターンを形成する古典的手法で、比抵抗は約2.7μΩ·cm、拡散しにくいためバリアメタルは基本的に不要です。銅配線は溝を先に形成してからバリア/シード成膜→ECDめっき→CMPで埋め込むダマシン法で作り、比抵抗約1.7μΩ·cmとRC遅延を抑えエレクトロマイグレーション耐性も高い代わりに、TaN/Ta等のバリアメタルが必須になります。
比較表
| 観点 | 銅(Cu)配線 | アルミ(Al)配線 |
|---|---|---|
| 電気抵抗率 | 低い(約1.7μΩ·cm)でRC遅延を抑制 | 高め(約2.7μΩ·cm) |
| エレクトロマイグレーション耐性 | 高く、高電流密度に強い | 相対的に弱い |
| 形成プロセス | ダマシン(溝形成→バリア/シード→ECDめっき→CMP) | ブランケット成膜→ドライエッチングでパターン形成 |
| バリアメタル | Si/絶縁膜への拡散防止にTaN/Ta等が必須 | 基本的に不要(拡散しにくい) |
| エッチング性 | ドライエッチングが難しくダマシンを採用 | ドライエッチングでパターニング容易 |
| 主な適用 | 先端ロジックのBEOL多層配線 | 成熟ノード・パワー・一部の最上層/パッド |
なぜ銅配線へ移行したのか
微細化で配線が細くなると抵抗が増え、配線遅延(RC遅延)がトランジスタ性能を律速するようになりました。銅はアルミより抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性も高いため、1990年代後半にIBM等が銅ダマシンを実用化し、以降の先端ロジックの高速化を支えました。
ダマシンプロセスが必要な理由
銅は反応性生成物が揮発しにくくドライエッチングでのパターニングが困難です。そこで、絶縁膜にあらかじめ溝を形成し、バリアメタル(TaN/Ta)と銅シードを成膜してからECD(電解めっき)で埋め、余剰銅をCMPで除去するダマシン(およびデュアルダマシン)方式が採られます。バリアメタルは銅のSi/絶縁膜への拡散を防ぐために不可欠です。
アルミ配線が今も使われる場面
アルミは成膜後のドライエッチングで簡単にパターン形成でき、バリアメタルも基本不要なため、成熟ノード・パワー半導体・最上層配線やボンディングパッドなどで現役です。微細化要求が緩い領域ではコストと実績の面でアルミが選ばれます。