SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

銅配線とアルミ配線の違い(半導体配線の比較)

アルミ配線は古くから使われた成膜+エッチングで形成する配線、銅配線は低抵抗・高信頼性を求めて導入されたダマシン(溝埋め込み)で形成する配線です。1990年代後半に銅配線が登場し、先端ロジックの高速化を支えてきました。両者はプロセスも材料系も大きく異なります。

最終更新: 2026-08-02

結論:銅(Cu)配線アルミ(Al)配線の違いは?

銅配線とアルミ配線の最大の違いは「形成プロセス」です。アルミ配線はブランケット成膜後にドライエッチングでパターンを形成する古典的手法で、比抵抗は約2.7μΩ·cm、拡散しにくいためバリアメタルは基本的に不要です。銅配線は溝を先に形成してからバリア/シード成膜→ECDめっき→CMPで埋め込むダマシン法で作り、比抵抗約1.7μΩ·cmとRC遅延を抑えエレクトロマイグレーション耐性も高い代わりに、TaN/Ta等のバリアメタルが必須になります。

比較表

銅(Cu)配線アルミ(Al)配線
銅(Cu)配線アルミ(Al)配線観点別比較
観点銅(Cu)配線アルミ(Al)配線
電気抵抗率低い(約1.7μΩ·cm)でRC遅延を抑制高め(約2.7μΩ·cm)
エレクトロマイグレーション耐性高く、高電流密度に強い相対的に弱い
形成プロセスダマシン(溝形成→バリア/シード→ECDめっき→CMP)ブランケット成膜→ドライエッチングでパターン形成
バリアメタルSi/絶縁膜への拡散防止にTaN/Ta等が必須基本的に不要(拡散しにくい)
エッチング性ドライエッチングが難しくダマシンを採用ドライエッチングでパターニング容易
主な適用先端ロジックのBEOL多層配線成熟ノード・パワー・一部の最上層/パッド

なぜ銅配線へ移行したのか

微細化で配線が細くなると抵抗が増え、配線遅延(RC遅延)がトランジスタ性能を律速するようになりました。銅はアルミより抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性も高いため、1990年代後半にIBM等が銅ダマシンを実用化し、以降の先端ロジックの高速化を支えました。

ダマシンプロセスが必要な理由

銅は反応性生成物が揮発しにくくドライエッチングでのパターニングが困難です。そこで、絶縁膜にあらかじめ溝を形成し、バリアメタル(TaN/Ta)と銅シードを成膜してからECD(電解めっき)で埋め、余剰銅をCMPで除去するダマシン(およびデュアルダマシン)方式が採られます。バリアメタルは銅のSi/絶縁膜への拡散を防ぐために不可欠です。

アルミ配線が今も使われる場面

アルミは成膜後のドライエッチングで簡単にパターン形成でき、バリアメタルも基本不要なため、成熟ノード・パワー半導体・最上層配線やボンディングパッドなどで現役です。微細化要求が緩い領域ではコストと実績の面でアルミが選ばれます。

関連ページ

銅配線(用語集)
ECD(電解めっき)(用語集)
デュアルダマシン(用語集)
バリアメタル(用語集)
エレクトロマイグレーション(用語集)
銅とコバルト配線の違い(比較)
荏原製作所 企業ページ(ECD/CMP装置)

よくある質問

なぜ銅配線はエッチングではなくダマシンで作るのですか?
銅はドライエッチングの反応生成物が揮発しにくく、アルミのように直接パターニングするのが困難です。そのため絶縁膜に溝を掘り、銅を電解めっき(ECD)で埋めてからCMPで平坦化するダマシン方式が用いられます。
銅配線にバリアメタルが必要な理由は?
銅はシリコンや絶縁膜中へ拡散しやすく、拡散するとデバイス特性を劣化させます。これを防ぐため、TaN/Taなどのバリアメタルで銅を囲って拡散を抑えます。アルミ配線では基本的に不要です。
アルミ配線はもう使われていないのですか?
いいえ。成熟ノード・パワー半導体・最上層配線やボンディングパッドなどでは、ドライエッチングで容易に形成でき低コストなアルミ配線が現在も広く使われています。

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