DC-DCコンバータとは、ある電圧の直流を別の電圧の直流に変換する回路です。半導体スイッチを高速でオン・オフし、インダクタとコンデンサにエネルギーを蓄えては放出することで、電圧を昇圧または降圧します。
基本トポロジーは、降圧のバック、昇圧のブースト、両方向のバックブーストの3つです。入出力を絶縁する必要がある場合は、トランスを介するフライバックやフォワード、大電力ではLLC共振型やフルブリッジが使われます。
スイッチング周波数の選択が設計の中心です。周波数を上げるほどインダクタとコンデンサを小さくでき電力密度が上がりますが、スイッチング損失とEMIノイズが増えます。GaNデバイスはこの制約を大きく緩め、数MHz級の動作を実用化しました。ノートPCやスマートフォンの充電器が近年急激に小型化したのは、この効果によるものです。
用途は極めて広く、EVでは高圧バッテリーから12V系補機への降圧、データセンターでは48Vから各ICの電源電圧への多段降圧、スマートフォンでは電池電圧から各ブロックへの分配を担います。効率がそのまま発熱と電池持ちに効くため、パワー半導体の性能向上が最も素直に価値へ変わる領域の一つです。