GLOSSARY

ゲートドライバとは

Gate Driver
最終更新:2026-08-03パワー半導体

ゲートドライバとは?

ゲートドライバとは、マイコンの制御信号を受けてパワーデバイスのゲートを駆動するのに十分な電圧と電流を供給する専用ICです。ゲートは容量性負荷のため高速な充放電電流が必要で、制御信号を直接つなぐことはできません。ハイサイド駆動のための絶縁機能に加え、過電流保護(DESAT検出)・ソフトシャットダウン・温度監視などを統合し、パワーステージの安全を担います。

定義・解説

ゲートドライバとは、マイコンなどの制御信号を受けて、パワーデバイスのゲートを駆動するのに十分な電圧と電流を供給する専用ICです。MOSFETやIGBTのゲートは容量性の負荷で、高速にオン・オフするには短時間に大きな充放電電流を流す必要があるため、制御信号を直接つなぐことはできません。

重要な役割の一つが絶縁です。インバーターのハイサイド側は基準電位が変動するため、制御回路と絶縁したうえで駆動する必要があります。フォトカプラ、磁気結合、容量結合といった絶縁方式が使われ、高いdv/dt耐性(コモンモード過渡耐量)が求められます。

SiCやGaNを使う場合、ゲートドライバの要求水準が一段上がります。スイッチングが速いぶん誤動作の余地が小さく、寄生インダクタンスによるゲート電圧の跳ね返りでオフのはずのデバイスが誤ってオンする「セルフターンオン」を防ぐ必要があります。負バイアスでオフ状態を確実に保つ設計や、ゲート配線の低インダクタンス化が対策になります。

近年のゲートドライバICは、デッドタイム生成、過電流保護(DESAT検出)、ソフトシャットダウン、温度監視、故障通知といった保護機能を統合しており、単なる増幅器ではなくパワーステージの安全を担うコンポーネントになっています。

よくある質問(FAQ)

なぜマイコンから直接ゲートを駆動できないのですか?
パワーデバイスのゲートは容量性の負荷で、高速にオン・オフするには短時間に大きな充放電電流(数A規模)を流す必要があるためです。マイコンのI/Oではこの電流を供給できず、必要なゲート電圧(10〜20V)も出せません。
ゲートドライバに絶縁が必要なのはなぜですか?
インバーターのハイサイド側デバイスは、ソース電位がスイッチングのたびに大きく変動するためです。制御回路と基準電位が異なるので、フォトカプラや磁気・容量結合で絶縁したうえで駆動する必要があり、高いdv/dt耐性が要求されます。
セルフターンオンとは何ですか?
オフのはずのデバイスが誤ってオンしてしまう現象です。対向アームがターンオンする際のdv/dtが帰還容量を通じてゲートに電流を流し込み、ゲート電圧を持ち上げることで起きます。スイッチングが速いSiC・GaNで顕在化しやすく、負バイアスでオフを保つ駆動やゲート配線の低インダクタンス化で対策します。

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