最終更新 2026-10-19

金属汚染とは(メタルコンタミネーション)

Metal Contamination

金属汚染とは、鉄・銅・ニッケル・ナトリウムなどの金属不純物がウェハ表面や結晶中に混入してデバイス特性を劣化させる現象です。少数キャリア寿命の低下、接合リーク、ゲート酸化膜の耐圧低下、しきい値電圧の経時変化を招き、管理レベルは表面濃度10¹⁰atoms/cm²以下という桁です。持ち込ませない・洗浄で除去する・ゲッタリングで無害化するの三層で守ります。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

金属汚染とは、鉄・銅・ニッケル・アルミニウム・ナトリウムなどの金属不純物がウェハ表面や結晶内部に混入し、デバイス特性を劣化させる現象と、その管理領域を指します。パーティクル汚染が「物理的に載っている異物」であるのに対し、金属汚染は原子レベルで表面に吸着し、あるいは結晶中を拡散していくため、目に見えず、除去も難しいのが特徴です。

デバイスへの影響は深刻です。鉄や銅は深い準位を形成して少数キャリア寿命を縮め、接合リーク電流を増やします。ゲート酸化膜中に取り込まれれば耐圧(GOI)を落とし、ナトリウムなどの可動イオンはしきい値電圧を経時変化させます。イメージセンサでは暗電流の増加、パワーデバイスでは特性ばらつきとして現れます。管理レベルは表面濃度で10¹⁰atoms/cm²以下という桁です。

混入経路は多岐にわたります。薬液・超純水・特殊ガスに含まれる微量金属、配管やバルブなど装置部材からの溶出、イオン注入や成膜時のチャンバー部材のスパッタ、CMPスラリー、そしてウェハ搬送時の接触や作業者由来のものまであります。上流の材料純度と、装置内で金属に触れさせない設計の両方が必要になる理由です。

対策は三層構造です。①持ち込ませない:高純度薬液・ガスの使用、樹脂配管、部材の材質選定。②除去する:SC-2(HPM)洗浄やDHF洗浄で表面の金属を溶解除去する。③無害化する:ゲッタリングによって、拡散してしまった金属をデバイス活性領域から引き離し、BMDや裏面の捕獲サイトに固定する。どれか一つでは守りきれません。

測定には、表面の全反射蛍光X線分析(TXRF)と、より高感度なVPD-ICP-MS(気相分解と誘導結合プラズマ質量分析の組合せ)が使われます。定期的にモニタウェハを流して装置ごとの金属汚染レベルを監視し、規格を超えた装置はPMや部材交換の対象になります。パーティクル管理と並ぶ、ファブの清浄度管理の二本柱です。

図解

金属汚染(メタルコンタミネーション)の対策の3層(持ち込み防止・洗浄・ゲッタリング)
TXRFやVPD-ICP-MSで、表面の微量な金属を測って管理する。

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)コンタミネーション管理エンジニア装置・材料メーカー特殊ガス・高純度薬液エンジニアファブ運営・インフラ超純水エンジニア

よくある質問(FAQ)

金属汚染はパーティクル汚染と何が違いますか?
パーティクルが物理的に載っている異物であるのに対し、金属汚染は原子レベルで表面に吸着し、結晶中を拡散していきます。目に見えず、単純な物理洗浄では落ちないため、薬液による溶解除去とゲッタリングによる無害化が必要になります。
金属汚染はどうやって測るのですか?
表面の全反射蛍光X線分析(TXRF)と、より高感度なVPD-ICP-MS(気相分解と誘導結合プラズマ質量分析の組合せ)が使われます。定期的にモニタウェハを流して装置ごとの汚染レベルを監視し、規格を超えた装置はPMや部材交換の対象になります。
どのくらいのレベルまで管理するのですか?
表面濃度で10¹⁰atoms/cm²以下という桁が目安です。鉄や銅は深い準位を作って少数キャリア寿命を縮め接合リークを増やし、ナトリウムなどの可動イオンはしきい値電圧を経時変化させるため、極めて低い水準が要求されます。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

LTA-2200EP/Fコベルコ科研・ライフタイム測定装置
DME8061DISCO・研磨装置(ポリッシャー)
FAaST® Digital SPVOnto Innovation・異物・汚染分析装置

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東京エレクトロン(TEL)日本Lam Research米国アクリオンシステムズ(Akrion Systems)米国ACM Research米国KCTech(ケーシーテック)韓国三菱ガス化学日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. コベルコ科研「LTA-2200EP/F 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. DISCO「DME8061 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. Onto Innovation「FAaST® Digital SPV 製品ページ」(2026/10/07 確認)