最終更新 2026-10-10

ESD耐性試験とは(HBM・CDM)

ESD Test (HBM / CDM)

ESD耐性試験とは、静電気放電に対するデバイスの耐性を評価する試験です。人が触れる状況を模擬するHBM(100pF/1.5kΩ、マイクロ秒級)と、デバイス自身の帯電が放電するCDM(低インピーダンス・ナノ秒級で数A)が主要モデルで、自動搬送が前提の量産現場では防ぎにくいCDMが重視されます。保護回路の寄生容量と高速信号品質のトレードオフが設計課題です。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ESD耐性試験とは、静電気放電(ElectroStatic Discharge)に対するデバイスの耐性を評価する試験です。人体や装置に帯電した静電気がデバイスの端子に流れ込むと、ゲート絶縁膜の破壊や接合部の溶融といった一瞬の破壊が起こるため、どの程度の放電まで耐えるかを規格化された条件で測定します。

主要なモデルは2つあります。HBM(Human Body Model:人体モデル)は、帯電した人がデバイスに触れる状況を模擬し、100pFのコンデンサを1.5kΩ経由で放電させます。放電時間はマイクロ秒オーダーで比較的緩やかです。CDM(Charged Device Model:デバイス帯電モデル)は、デバイス自身が搬送中の摩擦で帯電し、接地物に触れた瞬間に放電する状況を模擬します。こちらは放電経路のインピーダンスが極めて低く、ナノ秒オーダーで数アンペアの電流が流れます。

現代の量産現場ではCDMのほうが重要視されます。人体からの放電は作業者のリストストラップやイオナイザといった管理で防げますが、自動搬送されるデバイス自身の帯電は避けにくいためです。微細化に伴ってゲート絶縁膜が薄くなり、短時間の大電流に対する耐性が下がっていることも背景にあります。

デバイス側の対策は、入出力端子にESD保護回路を設けることです。ダイオードやGGNMOS(ゲート接地NMOS)で放電経路を作り、内部回路に電流が流れ込む前に電荷を逃がします。ただし保護回路は寄生容量として高速信号の特性を劣化させるため、高周波・高速インターフェースでは保護能力と信号品質のトレードオフが設計上の難題になります。

評価は専用のESDシミュレータで規定電圧まで段階的に印加し、リーク電流の変化で破壊を判定します。合格レベルはHBMで数kV、CDMで数百V級が目安ですが、要求値は用途と製品世代によって変わります。関連する現象にラッチアップがあり、こちらは別の規格で評価されます。

図解

ESD耐性試験のHBM(人体モデル)とCDM(デバイス帯電モデル)の比較
自動化された工場では、防ぎにくいCDMの方が重視されるようになった。

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)故障解析(FA)エンジニア後工程(実装・テスト)品質保証(QA・QC)エンジニア後工程(実装・テスト)顧客品質エンジニア(CQE)

よくある質問(FAQ)

HBMとCDMはどう違いますか?
帯電しているものが違います。HBMは帯電した人がデバイスに触れる状況(100pF/1.5kΩ、マイクロ秒級)、CDMはデバイス自身が搬送中に帯電し接地物に触れて放電する状況(低インピーダンス、ナノ秒級で数A)を模擬します。
なぜCDMが重視されるのですか?
人体からの放電はリストストラップやイオナイザで管理できますが、自動搬送されるデバイス自身の帯電は避けにくいためです。微細化でゲート絶縁膜が薄くなり、短時間の大電流に対する耐性が下がっていることも背景にあります。
ESD保護回路の課題は何ですか?
寄生容量です。保護のためのダイオードやGGNMOSは入出力端子に容量を付加するため、高速信号や高周波の特性を劣化させます。保護能力と信号品質のトレードオフが、高速インターフェース設計の難所になります。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JEDEC「JOINT JEDEC/ESDA STANDARD FOR ELECTROSTATIC DISCHARGE SENSITIVITY TEST - HUMAN BODY MODEL (HBM) - DEVICE LEVEL」(2026/10/10 確認)
  2. EOS/ESD Association「Part 5 Device Sensitivity and Testing」(2026/10/10 確認)