GLOSSARY

オン抵抗(RDS(on))とは

On-Resistance
最終更新:2026-08-03パワー半導体

オン抵抗(RDS(on))とは?

オン抵抗(RDS(on))とは、MOSFETがオン状態のときのドレイン・ソース間抵抗で、導通損失(I²×RDS(on))を決めるパワーデバイスの最重要パラメータです。チャネル・JFET領域・ドリフト層・基板の抵抗の直列和で、高耐圧品ではドリフト層が支配的になります。耐圧とはトレードオフの関係にあり、材料と構造の優劣は「オン抵抗×チップ面積」(mΩ·cm²)で比較します。

定義・解説

オン抵抗(RDS(on))とは、MOSFETがオン状態にあるときのドレイン・ソース間の抵抗値です。パワーデバイスではこの抵抗による導通損失(I²×RDS(on))が発熱と効率低下に直結するため、耐圧と並んで最重要のカタログ値になります。

オン抵抗はいくつかの成分の直列和です。チャネル抵抗、JFET領域の抵抗、ドリフト層の抵抗、基板抵抗、そして配線とパッケージの寄生抵抗です。高耐圧デバイスではドリフト層が厚く低濃度になるため、この成分が全体の大半を占めます。逆に低耐圧品ではチャネルとパッケージの寄与が相対的に大きくなります。

材料の性能限界は「オン抵抗と耐圧のトレードオフ」として表され、Siリミット・SiCリミットといった理論曲線で議論されます。SiCはこの曲線自体がSiより2桁ほど有利な位置にあり、同じ耐圧ならオン抵抗を大幅に下げられます。スーパージャンクション構造は、Siのままこの理論限界を超えるために考案された構造です。

実用上は、面積との兼ね合いで決まる点に注意が必要です。チップ面積を増やせばオン抵抗は下がりますがコストと寄生容量が増えます。そのため設計では、オン抵抗そのものではなく「オン抵抗×チップ面積」(RonA、単位はmΩ·cm²)という指標で材料と構造の優劣を比べます。

よくある質問(FAQ)

オン抵抗は何で決まりますか?
チャネル抵抗・JFET領域の抵抗・ドリフト層の抵抗・基板抵抗・パッケージの寄生抵抗の直列和です。高耐圧デバイスではドリフト層が厚く低濃度になるためこの成分が支配的になり、低耐圧品ではチャネルとパッケージの寄与が相対的に大きくなります。
なぜ「オン抵抗×面積」で比較するのですか?
チップ面積を大きくすればオン抵抗はいくらでも下げられるため、オン抵抗の絶対値だけでは材料や構造の優劣を比較できないからです。面積で正規化したRonA(mΩ·cm²)を使うことで、同じ土俵で技術を比べられます。
オン抵抗と耐圧はなぜトレードオフなのですか?
耐圧を上げるにはドリフト層を厚く低濃度にする必要がありますが、それはそのまま抵抗の増加を意味するからです。この関係は材料ごとに理論限界(シリコンリミット等)として表され、スーパージャンクション構造はSiのままこの限界を超えるために、SiCは材料そのものを変えることで限界の位置を動かすために生まれました。

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