GLOSSARY

スーパージャンクション構造とは

Super Junction
最終更新:2026-08-03パワー半導体

スーパージャンクション構造とは?

スーパージャンクション構造とは、ドリフト層にp型とn型の柱を交互に並べ、オフ時に互いを空乏化させて電界を均一化するパワーMOSFETの構造です。nピラーの濃度を高く保ったまま高耐圧を確保できるため、シリコンのまま「オン抵抗と耐圧のトレードオフ限界」を超えられます。600〜900V級のサーバー電源・太陽光パワコン・エアコンPFCで広く使われています。

定義・解説

スーパージャンクション(SJ)構造とは、ドリフト層にp型とn型の柱(ピラー)を交互に並べ、オフ時に互いを空乏化させることで電界を均一に分布させるパワーMOSFETの構造です。1990年代に考案され、シリコンのまま「オン抵抗と耐圧のトレードオフ限界(シリコンリミット)」を超えることを可能にしました。

通常のMOSFETでは、耐圧を上げるためにドリフト層の不純物濃度を下げる必要があり、それがオン抵抗の増大に直結します。SJ構造では、pピラーとnピラーの電荷が互いに打ち消し合って空乏化するため、nピラーの濃度を高くしたまま高耐圧を保てます。結果として、同耐圧でオン抵抗を数分の1に下げられます。

製造は容易ではありません。深いトレンチを掘ってエピタキシャル成長で埋め戻す方式や、エピ成長とイオン注入を何度も繰り返してピラーを積み上げる方式(マルチエピ)が使われ、いずれも工程数が多くコストが高くなります。またpとnの電荷バランスがずれると耐圧が急激に落ちるため、濃度制御の精度が歩留まりを左右します。

SJ MOSFETは主に600〜900V級で使われ、サーバー電源、太陽光パワコン、エアコンのPFC回路などに広く採用されています。この電圧帯はSiCと競合する領域でもあり、コストと性能のバランスで棲み分けが進んでいます。

よくある質問(FAQ)

スーパージャンクションはなぜシリコンリミットを超えられるのですか?
p型とn型のピラーの電荷が互いに打ち消し合って空乏化するため、nピラーの不純物濃度を高く保ったまま高耐圧を確保できるからです。通常は耐圧を上げるために濃度を下げねばならず、それがオン抵抗の増加を招きますが、SJ構造ではその制約から逃れられます。
スーパージャンクションの製造はなぜ難しいのですか?
深いトレンチを掘ってエピタキシャル成長で埋め戻すか、エピ成長とイオン注入を何度も繰り返してピラーを積み上げる(マルチエピ)必要があり、工程数が多くコストが高くなるためです。またpとnの電荷バランスがずれると耐圧が急激に落ちるため、濃度制御の精度が歩留まりを直接左右します。
SJ MOSFETとSiC MOSFETはどう使い分けますか?
600〜900V級で競合します。SJ MOSFETはシリコンベースでコストが低く、成熟度も高いため、周波数がさほど高くない用途では有利です。SiCはスイッチング損失と高温動作で勝るため、高周波化や小型化の価値が大きい用途で選ばれます。

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