図解

半導体前工程の断面図解(MOSFETができるまで)

最終更新:2026-08-03

要点

半導体の前工程は、成膜・露光・エッチングという3つの基本操作を何百回も繰り返して、ウェハ断面に立体構造を積み上げていく作業です。素子分離(STI)→ゲート絶縁膜とゲート電極→ソース・ドレインのイオン注入→シリサイド→層間絶縁膜と多層配線、という順に断面が変化していきます。この図解は各段階の断面を並べ、どの工程で何が形作られるのかを対応づけたものです。

工程順の断面変化

前工程は「成膜して、露光でパターンを描き、エッチングで削る」という3つの操作の反復です。以下は代表的なプレーナ型MOSFETができるまでを6段階の断面で追ったものです(縦方向は見やすさのため誇張しています)。

1. ベアウェハ
single-crystal シリコン基板。ここに何もかもを作り込んでいく出発点です。
single-crystal シリコン基板。ここに何もかもを作り込んでいく出発点です。
2. 素子分離(STI)
トレンチを掘って酸化膜で埋め、隣り合うトランジスタ同士を電気的に切り離します。埋め込み後はCMPで平坦化します。
トレンチを掘って酸化膜で埋め、隣り合うトランジスタ同士を電気的に切り離します。埋め込み後はCMPで平坦化します。
3. ゲート絶縁膜・ゲート電極
極薄のゲート絶縁膜を形成し、その上にゲート電極を積みます。露光とエッチングでゲート形状を切り出す、寸法精度が最も厳しい工程です。
極薄のゲート絶縁膜を形成し、その上にゲート電極を積みます。露光とエッチングでゲート形状を切り出す、寸法精度が最も厳しい工程です。
4. サイドウォールとソース・ドレイン
ゲート側壁にスペーサを作り、それをマスクにイオン注入でソース・ドレインを形成します。注入後はアニールで結晶を回復させ不純物を活性化します。
ゲート側壁にスペーサを作り、それをマスクにイオン注入でソース・ドレインを形成します。注入後はアニールで結晶を回復させ不純物を活性化します。
5. シリサイド・層間絶縁膜・コンタクト
ソース・ドレインとゲートの表面をシリサイド化して抵抗を下げ、層間絶縁膜で覆ってからコンタクトホールを開けて金属を埋めます。
ソース・ドレインとゲートの表面をシリサイド化して抵抗を下げ、層間絶縁膜で覆ってからコンタクトホールを開けて金属を埋めます。
6. 多層配線(BEOL)
ダマシン法で銅配線とビアを積み上げます。先端ロジックでは10層以上を重ね、層ごとに配線幅とピッチが変わります。
ダマシン法で銅配線とビアを積み上げます。先端ロジックでは10層以上を重ね、層ごとに配線幅とピッチが変わります。

凡例と対応する用語

シリコン基板酸化膜・層間絶縁膜ゲート電極ソース・ドレインゲート絶縁膜・スペーサ金属配線・コンタクト

各段階で主役になる装置と用語は、CVDALD(成膜)、エッチングイオン注入シリサイド多層配線の各ページで詳しく扱っています。

関連する用語

半導体製造プロセスSemiconductor Manufacturing ProcessMOSFETMOSFETエッチングEtchingCVDChemical Vapor DepositionALDAtomic Layer Depositionイオン注入Ion Implantation EquipmentシリサイドSilicide層間絶縁膜(ILD)Interlayer Dielectric多層配線Multilevel InterconnectバリアメタルBarrier Metal / Diffusion Barrierポリシリコン(多結晶シリコン)Polysilicon

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