層間絶縁膜(ILD:Interlayer Dielectric)は、多層配線の各金属配線層の間を電気的に絶縁する膜です。上下・隣接する配線が短絡せず、かつ配線間の容量(寄生キャパシタンス)を小さく保つ役割を担い、配線工程(BEOL)の信号遅延と消費電力を左右する重要な膜です。
材料は世代とともに変化してきました。古くはTEOSを原料としたSiO₂が使われ、配線遅延(RC遅延)を抑えるため、フッ素添加のFSG、さらに炭素を含むSiOC系の低誘電率(Low-k)膜、空孔を導入したポーラスLow-k膜へと、より誘電率の低い材料へ移行しています。膜はCVDやスピンオンで形成します。
ILDに求められるのは、低い誘電率に加え、配線間の隙間を埋めるギャップフィル性、CMPに耐える機械的強度、銅の拡散を抑えるバリアとの整合などです。誘電率を下げるほど容量は減りますが、膜が脆くなりやすく、プロセス耐性とのトレードオフになります。
ILDは銅ダマシン配線とセットで使われ、low-kやteos、copper-interconnect、dual-damascineの各項と密接に関わります。成膜はApplied Materials・Lam Research・東京エレクトロンなどの装置が担います。multilevel-interconnectの項とあわせると、配線層構造の中でのILDの位置づけが明確になります。