SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

相変化メモリ(PCM)とReRAMの違い

PCMはカルコゲナイド材料(GST)の結晶相とアモルファス相で抵抗を変える不揮発メモリ、ReRAMは金属酸化膜中の導電フィラメントの生成・消滅で抵抗を変える不揮発メモリです。いずれも抵抗値でデータを記憶しますが、状態を作り出す物理メカニズムが異なります。

最終更新: 2026-08-02

結論:PCM(相変化メモリ)ReRAM(抵抗変化メモリ)の違いは?

PCMとReRAMの最大の違いは「抵抗状態を作り出す物理メカニズム」です。PCMはカルコゲナイド材料(GST)をジュール熱で加熱・急冷し、結晶相(低抵抗)とアモルファス相(高抵抗)を切り替えるため書き込み電力が大きめですが、中間抵抗を作りやすく多値記憶(MLC)に適します。ReRAMは電圧印加で酸化膜中の導電フィラメントを形成・破断させる方式で、低電圧・低電力で書き込める一方、多値化にはばらつき管理という課題があります。

比較表

PCM(相変化メモリ)ReRAM(抵抗変化メモリ)
PCM(相変化メモリ)ReRAM(抵抗変化メモリ)観点別比較
観点PCM(相変化メモリ)ReRAM(抵抗変化メモリ)
記憶原理GST材料の結晶相(低抵抗)/アモルファス相(高抵抗)酸化膜中の導電フィラメント生成/消滅
書き込み機構ジュール熱による加熱・急冷で相変化電圧印加でフィラメントを形成/破断
消費電力相変化に発熱を伴い書き込み電力が大きめ低電圧・低電力書き込みが可能
多値記憶中間抵抗を作りやすくMLCに適する多値化は可能だがばらつき管理が課題
代表的実用例3D XPoint(Intel Optane)組み込みeNVM(ファウンドリ提供)
主な課題書き込み電力・抵抗ドリフトフィラメントばらつき・保持特性

PCMの仕組みと実用例

PCMは、カルコゲナイド(Ge-Sb-Te:GST)に電流を流して発生するジュール熱で、急冷すればアモルファス(高抵抗)、徐冷すれば結晶(低抵抗)に切り替えます。中間状態を作れるため多値化に向き、IntelとMicronの3D XPoint(Optane)として、DRAMとNANDの間を埋めるストレージクラスメモリに実用化されました。

ReRAMの仕組みと用途

ReRAMはMIM構造の酸化膜中に導電フィラメントを生成・破断して抵抗を変えます。構造が単純で低電圧・低電力に書き込め、微細化・積層に向きます。フィラメント生成のばらつき制御が課題ですが、マイコン混載の組み込み不揮発メモリ(eNVM)として実用化が進んでいます。

両者の使い分け

多値・大容量のストレージクラスメモリを狙う方向ではPCMが先行し、低消費電力・シンプル構造の組み込み用途ではReRAMが有力です。いずれもMRAMと並ぶ新世代NVMで、消費電力・保持特性・コストの要求に応じて使い分けられます。

関連ページ

相変化メモリ(用語集)
ReRAM(用語集)
MRAM(用語集)
DRAM(用語集)
ReRAMとMRAMの違い(比較)
Micron企業ページ(3D XPoint共同開発)

よくある質問

3D XPoint(Optane)はPCMですか?
3D XPoint(Intel Optane)は相変化メモリ(PCM)系の技術をベースに、クロスポイントアレイとセレクタ素子を組み合わせたストレージクラスメモリとして製品化されました。
PCMとReRAMはどちらが省電力ですか?
書き込み時の消費電力ではReRAMが有利です。PCMは相変化のためにジュール熱を発生させる必要があり、書き込み電力が大きくなる傾向があります。
どちらが大容量化に向きますか?
PCMは多値記憶(MLC)を作りやすく、クロスポイント積層と組み合わせて大容量ストレージクラスメモリを狙えます。ReRAMもクロスポイント積層が可能ですが、抵抗ばらつきの管理が大容量化の鍵になります。

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