結論:CZ法(チョクラルスキー法)とFZ法(フローティングゾーン法)の違いは?
CZ法とFZ法の最大の違いは「石英ルツボを使うかどうか」です。CZ法は石英ルツボ内の融液から種結晶を引き上げて単結晶を育てるため、ルツボ由来の酸素を一定量含みますが、300mmなどの大口径に対応でき量産用ウェハの標準となっています。FZ法はルツボを使わず帯溶融で再凝固させるため酸素や金属不純物が極めて少なく、超高純度・高抵抗率が得られますが、大口径化が難しく〜150mm級が中心です。
比較表
CZ法(チョクラルスキー法)FZ法(フローティングゾーン法)
| 観点 | CZ法(チョクラルスキー法) | FZ法(フローティングゾーン法) |
|---|---|---|
| ルツボの有無 | 石英ルツボ内の融液から引き上げ | ルツボ不使用(帯溶融で再凝固) |
| 酸素濃度 | ルツボ由来の酸素を一定量含む | 酸素・金属不純物が極めて少ない |
| 純度・抵抗率 | 高純度(標準的な高品質ウェハ) | 超高純度・高抵抗率が得られる |
| 口径 | 300mmなど大口径に対応 | 大口径化が難しく中口径中心(〜150mm級) |
| コスト | 量産性が高く相対的に低コスト | 高純度原料・精密制御で高コスト |
| 主な用途 | ロジック・メモリ等の先端デバイス全般 | 高耐圧パワー半導体・放射線検出器 |
CZ法が主流である理由
CZ法は引き上げ条件の制御で直径・欠陥密度・酸素濃度・抵抗率を調整でき、300mmの大口径インゴットを量産できます。含有する酸素はゲッタリング(金属不純物の捕獲)や機械的強度に寄与します。現在の先端ロジック・メモリ用ウェハはほぼすべてCZ法で作られています。
FZ法の独自の強み
FZ法はルツボに触れないため酸素・金属の混入が極めて少なく、CZ法より高純度・高抵抗率の結晶が得られます。少数キャリア寿命が長く、高耐圧・低損失が要るパワー半導体(IGBT・ダイオード)や放射線検出器に不可欠です。一方で大口径化が難しくコストも高くなります。
使い分けの考え方
大口径・量産・コスト重視の先端デバイスはCZ法、酸素フリー・高抵抗率が必須のパワー/検出器用途はFZ法、という棲み分けです。EV・再生可能エネルギー向けパワーデバイス需要の拡大が、FZウェハの重要性を高めています。