トランスファーモールド(Transfer Molding)は、半導体パッケージの封止(モールディング)で最も広く使われてきた成形方式で、加熱して軟化させた固形のエポキシモールドコンパウンド(EMC)タブレットを、ランナー・ゲートと呼ばれる流路を通じて金型内のキャビティに圧力で押し込み、チップ・ワイヤ・リードフレームを一体に封止する。
QFP・BGA・QFNなど従来型のリードフレーム/基板系パッケージの量産で確立された技術であり、装置・材料・工程管理のノウハウが豊富で、スループットと歩留まりの安定性に優れる。一方で、ランナー・カル部分に樹脂の廃材が生じることや、ゲート跡の存在により極端な薄型化(0.5mm未満)が難しいという制約がある。
ファンアウトウェハレベルパッケージング(FOWLP)やパネルレベルパッケージング(FOPLP)のような大面積・薄型の先端パッケージでは、ゲート注入方式では樹脂の充填ムラが生じやすいため、コンプレッションモールドへの置き換えが進んでいる。一方、汎用パッケージの量産では引き続きトランスファーモールドが主流である。
主要装置メーカーはTOWA・Apic Yamada(アピック山田製作所)で、金型設計・樹脂流動制御・脱型工程を含めた総合的な成形技術力が装置の競争力を左右する。