RF半導体(Radio Frequency Semiconductor:高周波半導体)は、無線通信(スマートフォン・5G/6G基地局・Wi-Fi・衛星通信・レーダー)で使用されるGHz帯〜THz帯の高周波信号を増幅・送受信・処理する半導体デバイスの総称です。パワーアンプ(PA)・ローノイズアンプ(LNA)・スイッチ・フィルター・RF-SOCなどがカテゴリに含まれます。スマートフォン1台あたりのRF部品点数は5G対応で100〜200個に達し、RF半導体市場は年間250〜300億ドル規模に達しています。
RF半導体の材料は用途によって使い分けられます。スマートフォンの受信フィルター(BAW:Bulk Acoustic Wave・SAW:Surface Acoustic Wave)は圧電材料(窒化アルミニウム・LiNbO3)、パワーアンプはGaAs(ガリウムヒ素)・GaN・FD-SOI、低ノイズアンプはGaAs・SiGe-HBTが主流です。5G mmWave(ミリ波、24〜100GHz)対応のフロントエンドモジュール(FEM)では、GaN-on-SiCパワーアンプが基地局向けに採用されています。Skyworks Solutions・Broadcom・Murata・TDK・Qorvoが主要サプライヤーです。
RF半導体の製造は特殊プロセスを要します。GaAs HBT/pHEMTはGaAs専用ウェハ上に成長させたエピ層を使うプロセスで、TSMC・WIN Semiconductorsなどが受託製造しています。GaN on SiCはパワー密度が最大で、Wolfspeed・MACOM・インフィニオンが供給します。FD-SOIはSamsung Foundry・STMicroelectronicsが担います。化合物半導体の基礎はcompound-semiconductorを、GaNとSiCの比較はsic-vs-ganの比較記事を参照してください。