最終更新 2026-10-07

マスク誤差増幅係数とは

Mask Error Enhancement Factor (MEEF)
目次5項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 設備の製造メーカー
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

マスク誤差増幅係数(MEEF:Mask Error Enhancement Factor)は、フォトマスク上のパターン寸法誤差がウェハ上の転写パターン誤差に拡大される倍率を表す指標です。MEEF=(ウェハCDの変化量)÷(マスクCDの変化量×縮小比)で定義され、理想的なリソグラフィではMEEF=1ですが、実際には光学回折・非線形レジスト応答により1を超えます。

MEEFが重要な理由は、リソグラフィの解像限界近傍では光学系の非線形性が増し、マスクの微小な寸法誤差がウェハ上で増幅されるためです。例えばMEEF=3の場合、マスク上1nmのCD誤差がウェハ上(縮小比4×を考慮すると)0.75nmの誤差になります。先端ノードではパターン許容誤差がこの量に近くなるため、MEEFの管理が歩留まりに直結します。

MEEFはフィーチャーのタイプ(ライン、コンタクト、アシストフィーチャー)、照明条件(NA、σ、照明形状)、マスク材料(クロム、MoSi)、フォーカス条件により異なります。特に孤立パターンや補助フィーチャーはMEEFが高くなる傾向があり、OPC設計・SMOでMEEFを考慮したパターン補正が必要です。

マスク製造の観点では、MEEFが高いパターンほどマスクCD精度の要求が厳しくなります。EUV露光機では縮小比が4×(DUVと同じ)ながらも、光子数が少なく確率論的効果(ストキャスティック効果)の影響でMEEFが実効的に高まるケースがあります。マスク修正(mask repair)の際もMEEFを考慮した修正量の計算が必要です。

MEEFの測定はウェハ上のCD-SEM計測とマスク計測(マスクCD-SEM、ACROSなど)を組み合わせて行います。KLA、Zeiss(マスク検査・計測装置)、ASML(リソグラフィシミュレーター)が提供するツールでMEEFの予測・計測が可能です。MEEFを最小化するプロセス条件の選択(NA・コヒーレンス・フォーカス)もRMS(レシピ管理)の重要項目です。

図解

MEEF(マスク誤差増幅係数)の意味と定義式
解像限界の近くでは光学系が非線形に振る舞い、マスクの誤差が増幅される。

この用語を扱う職種

前工程(ウェハプロセス)フォトマスクエンジニア前工程(ウェハプロセス)OPCエンジニア(計算リソグラフィ)

設備の製造メーカー

デバイスの製造メーカー

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