再配線層(RDL:Redistribution Layer)は、チップ上のI/Oパッド(ボンディングパッド)の位置や間隔を、より広いピッチや異なる配置に「再配線」するための薄膜金属配線層です。シリコンウェハ上にポリイミドやPBO(ポリベンゾオキサゾール)などの低誘電率有機絶縁膜とCuスパッタリング+めっきで形成した配線層を1〜数層重ねた構造です。
RDLが不可欠な理由は、先端ロジックチップのI/Oピッチ(数十μm)とプリント基板やパッケージ基板のピッチ(数百μm〜mm)の大きな差(ファンアウト問題)を解消するためです。RDLによりI/Oを再配置することで、小さなチップでも広いパッドエリアを確保でき、基板との接続信頼性を高めます。これがFan-Out WLP(FOWLP)・eWLB・InFOなどのファンアウトパッケージの核心技術です。
RDL形成プロセスには、ウェハレベル(WLP:Wafer Level Package)で行う方法とパネルレベルで行う方法があります。TSMCのInFO(Integrated Fan-Out)では、チップをモールドで埋め込んだ後にウェハプロセスと同様の精度でRDLを形成することで、従来のワイヤボンディングパッケージを超える電気性能と薄型化を実現しています。AppleのA-seriesチップはInFOパッケージを採用しています。
先端パッケージにおけるRDLの進化として、L/S(ライン/スペース)が2μm以下の「ファインピッチRDL」が求められています。これはシリコンウェハ上のFEOL(前工程)に近い精度が必要で、専用の露光装置(i-line〜DUVスキャナー)・Cu電解メッキ装置・CMP平坦化装置が使われます。さらに「ブリッジ技術」(EMIB:Intel、Si-Bridge:TSMC)ではシリコン上のRDLをチップレット間の局所配線に使います。
RDL関連の主要サプライヤーとして、RDL形成装置(東京エレクトロン、Lam Research、ASMLの露光装置)、銅めっき(Enthone、MacDermid Alpha)、絶縁膜材料(住友ベークライト、HD Microsystems)、検査(KLA、Onto Innovation)が重要です。RDL技術のファインピッチ化がAdvanced Packaging全体の性能向上を左右しています。