最終更新 2026-10-10

フローティングゾーン法とは(FZ法)

Float Zone Process
目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

フローティングゾーン法(FZ法:Float Zone Process、浮遊帯溶融法)は、ルツボを使わずにシリコン単結晶を成長させる結晶製造技術です。多結晶シリコン棒を縦に保持し、高周波誘導コイルで局所的に溶融帯(メルトゾーン)を作り、それを棒の一端から他端へゆっくり移動させることで、溶けて再凝固する過程で単結晶化させ、同時に不純物を一方向へ掃き寄せて精製します。

FZ法最大の特徴は、石英ルツボに触れないため酸素・金属不純物の混入が極めて少なく、CZ法より高純度・高抵抗率の結晶が得られることです。少数キャリア寿命が長く、高耐圧・低損失が求められるパワー半導体(IGBT・サイリスタ・ダイオード)や、放射線検出器、高周波デバイス用基板に適しています。

一方で、ルツボ支持がないため大口径化が難しく、現状では主に150mm前後までが中心で、300mmのような大口径はCZ法が担います。また帯溶融による精製(ゾーンリファイニング)の原理を利用するため、極めて高純度な原料棒と精密な温度制御が必要で、製造コストはCZ法より高くなります。

FZウェハは、酸素フリー・高抵抗率という他法で代替しにくい特性から、パワーエレクトロニクスや検出器分野で不可欠な存在です。供給は信越化学工業・SUMCOなどが担い、用途特性に応じてCZ法ウェハと明確に使い分けられています。EV・再生可能エネルギー向けパワーデバイス需要の拡大が、FZウェハの重要性を高めています。

図解

フローティングゾーン法(FZ法)による単結晶成長の流れ
CZ法より純度は高いが、口径は150〜200mm程度まで。

紛らわしい言葉の切り分け

CZ法とFZ法。違いは石英のるつぼを使うかどうかです。CZ法はるつぼの融液から結晶を引き上げるため酸素を含みますが、300mmの大口径に対応でき、量産ウェハの標準です。FZ法はるつぼを使わないため不純物が非常に少なく高抵抗率が得られますが、大口径化が難しくなります。 比較記事 →

この用語を扱う職種

装置・材料メーカー単結晶成長エンジニア(シリコン・SiC)

デバイスの製造メーカー

信越化学工業日本

シリコンウェハ・フォトレジスト材料・塩化ビニルの世界的大手。半導体向けには300mmウェハとEUVレジスト材料…

SUMCO日本

シリコンウェハ専業の世界第2位メーカー。三菱マテリアル・住友金属鉱山のウェハ事業を統合し、300mmウェハを中…

Infineon Technologiesドイツ

欧州最大の半導体メーカー。パワー半導体(IGBT・SiC MOSFET)・マイコン・セキュリティICで世界トッ…

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出典・参考資料

  1. SUMCO「シリコンウェーハの製造方法」(2026/10/10 確認)