チョクラルスキー法(CZ法:Czochralski Process)は、半導体用シリコン単結晶インゴット(円柱状の結晶塊)を製造する最も一般的な結晶成長技術です。石英ルツボ内で高純度シリコンを約1,420°Cで融解し、種結晶(シードクリスタル)を融液に浸して回転させながらゆっくり引き上げることで、種結晶の結晶方位を引き継いだ大型の単結晶を成長させます。
引き上げ速度・回転速度・温度勾配を精密に制御することで、結晶の直径・欠陥密度・酸素濃度・抵抗率(ドーパント濃度)を調整します。CZ法はルツボから溶け込む酸素を一定量含むのが特徴で、この酸素はゲッタリング(金属不純物の捕獲)や機械的強度に寄与する一方、デバイスによっては制御対象となります。現在主流の300mmウェハ用インゴットはほぼすべてCZ法で作られます。
成長させたインゴットは、外周研削で直径を揃え、ワイヤソーで薄くスライスし、ラッピング・エッチング・鏡面研磨(CMP)・洗浄を経て、デバイス製造に使うミラーウェハに仕上げられます。300mm化・低欠陥化・大口径化に向けて、磁場印加CZ(MCZ)など溶融対流を制御する技術も用いられます。
CZ法によるシリコンウェハ供給は、信越化学工業・SUMCO・Siltronic・SK Siltronなど少数の専業メーカーに集約されており、日本勢が世界シェアの過半を握ります。高純度・低欠陥・高平坦度のウェハ供給は最先端デバイスの歩留まりを支える基盤であり、フローティングゾーン法(FZ法)とは用途・特性で使い分けられます。