3D-IC(三次元積層集積回路)とは

3D Integrated Circuit

最終更新:2026-10-07・パッケージング装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

定義・解説

3D IC(Three-Dimensional Integrated Circuit)は、複数の半導体ダイを垂直方向(Z軸方向)に積層し、TSV(Through-Silicon Via)やハイブリッドボンディング(Copper-Copper直接接合)によって電気的に接続する集積回路技術です。従来の2D(平面)ICに比べて、フットプリント(基板上の占有面積)を削減しながら、より多くの機能と高い帯域幅を実現できます。

3D ICの主なアーキテクチャとして、メモリスタック型(HBMなど、DRAM複数ダイをTSVで積層)、ロジック+メモリ積層型(SRAMをロジックダイの直上に積層してL2/L3キャッシュとして使用)、ヘテロジニアス3D積層(異なる機能・プロセスノードのダイを積層)などがあります。

ハイブリッドボンディング(Direct Cu-Cu Bonding)は3D IC実現の核心技術の一つで、接合ピッチを10μm以下(将来は<1μm)に微細化できるため、TSVよりも高密度な垂直接続が可能です。Sony(CIS:CMOSイメージセンサーのBS/FS積層)、TSMC(SoIC)、Samsungが実用化を進めています。

3D IC製造の主な課題は、積層による熱の蓄積(熱密度増加)、各ダイの位置合わせ精度(<0.5μm)、薄型化したウェハ(<50μm)の取り扱い、歩留まりの管理(積層後に不良ダイを交換できないリスク)です。Known Good Die(KGD)の事前選別とTesting戦略が重要になります。

3D IC向け装置として、ウェハ接合(Wafer-to-Wafer・Die-to-Wafer)にEV Group・SUSS MicroTec、ハイブリッドボンダーにASMパシフィック(Besi)・東レエンジニアリング、TSV工程にLam Research・Applied Materials、ウェハ薄型化にDISCO・岡本工作機械などが主要サプライヤーです。AI・HPC市場の成長が3D IC技術の急速な発展を牽引しています。

図解

3D IC(三次元積層集積回路)の接続方式(TSV+マイクロバンプとハイブリッドボンディング)の比較
面積を増やさずに機能と帯域を増やせる。

紛らわしい言葉の切り分け

2.5D実装と3D IC実装。違いはチップを横に並べるか、縦に積むかです。2.5Dはインターポーザーの上に複数のダイを並べ、マイクロバンプでつなぎます。3D ICはTSVやハイブリッドボンディングでダイを積み重ね、接続密度をさらに上げますが、発熱が集中しやすくなります。 比較記事 →

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)半導体の熱設計エンジニア

設備の製造メーカー

Besiオランダ

オランダを拠点とする半導体組立装置の世界的リーダー。ダイアタッチ装置で42%の市場シェアを持ち、ハイブリッドボ…

EV Groupオーストリア

オーストリアを拠点とするウェーハボンディングおよびリソグラフィ装置の世界的リーダー。先端パッケージングおよびM…

Suss MicroTecドイツ

ドイツを拠点とする半導体製造装置メーカー。ウェーハレベルパッケージングおよび先端リソグラフィ技術のスペシャリス…

デバイスの製造メーカー

TSMC(台湾積体電路製造)台湾

世界最大の半導体ファウンドリ。3nm、5nm、7nmなど最先端プロセスノードで業界をリード。Apple、NVI…

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

Intel米国

世界最大のCPUメーカー。従来はIDMとして自社プロセスでCPUを製造してきたが、Intel Foundry …

関連カテゴリ

同じトピックの用語

先端パッケージング のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Kulicke & Soffa米国ASMPT香港ASE Technology Holding台湾Amkor Technology米国京セラ日本

比較・違いを学ぶ

CoWoSとInFOの違い(TSMC先進パッケージング比較)
CoWoSとInFOは、いずれもTSMCが提供する先進パッケージング技術です。CoWoSはシリコンインターポーザーを介して複数チップを横に並べ高密度接続する2.…
→
HBM2EとHBM3の違い(世代別スペック比較)
HBM(High Bandwidth Memory)はDRAMを縦に積層しTSV(Through-Silicon Via)で接続した超高帯域メモリです。AI学習…
→
2.5Dパッケージングと3D ICパッケージングの違い
ムーアの法則の鈍化に伴い、異なる機能のチップを高密度で組み合わせる「先進パッケージング」が半導体の性能向上の主戦場になっています。2.5D実装(CoWoS・In…
→
TSVとワイヤーボンドの違い|接続密度・帯域幅・コストを比較
TSV(Through Silicon Via、シリコン貫通電極)とワイヤーボンディングはともに半導体チップと外部を電気接続する後工程技術ですが、接続方式・密度…
→
ハイブリッドボンディングとフリップチップボンディングの違い
どちらもダイとダイ、またはダイと基板を電気的に接続する実装技術ですが、接合メカニズムと達成できる接続密度が根本的に異なります。フリップチップははんだバンプ(直径…
→
CoWoS vs SoIC:TSMCの先端パッケージング技術の違い
CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)とSoIC(System on Integrated Chips)はどちらもTSMCの先端パッ…
→

出典・参考資料

  1. TSMC「TSMC-SoIC」(2026/10/07 確認)
  2. 東京エレクトロン nanotec museum「半導体用語集:三次元積層LSI」(2026/10/07 確認)
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →